モーリス氏、活況のSPAC業界で離れ業-1日で3社のIPO申請
Ben Scent-
アトラス・クレストIII、IV、Vで計12億ドルの調達を目指す計画
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チャマス・パリハピティヤ、ビノード・コスラ両氏も同様の実績
ウォール街のベテラン、ケネス・モーリス氏は1日で特別買収目的会社(SPAC)3社の新規株式公開(IPO)を申請した。これは、活況を呈しているSPAC業界にあっても離れ業といえる。
モーリス氏は2日、アトラス・クレスト・インベストメントIII、IV、Vで計12億ドル(約1280億円)の調達を目指す計画を明らかにした。シリーズでSPACの資金集めを市場で行う動きが急速に再開しつつあることが示された。ブルームバーグの集計データによると、今年に入り300近いSPACがIPOを申請し、その規模は計900億ドルに達する。
投資家の熱狂の波に乗ろうとディールを急ぐ動きはあるが、1度に3社を申請したケースはほんのわずかだ。同様の実績はフェイスブック元幹部のチャマス・パリハピティヤ氏が昨年9月、ベンチャーキャピタリストのビノード・コスラ氏が今年2月に記録している。
一方、一度にSPAC2社を申請する事例はずっと多く、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のTPGやウォーバーグ・ピンカスのほか、ソフトバンクグループのビジョン・ファンドなど12社余りに上る。
競争は激しいものの、モーリス氏は過去のディールでの力強い実績を糧に今回のSPACで投資家の需要を期待できる。アトラス・クレストのシリーズで最初のSPACは先月、空飛ぶタクシーを手掛けるアーチャーの企業価値を38億ドルと評価する取引で同社との統合を発表している。
原題:
Rainmaker Moelis Joins Exclusive Club With SPAC Triple Play (1)、Rainmaker Moelis Seeks $1.2 Billion From Three New SPACs(抜粋)
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