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緊急事態宣言、首都圏で2週間延長-菅首相「リバウンドを懸念」

更新日時
  • ワクチンは「希望の光」、4月末から接種規模を大幅に拡大
  • 五輪の海外客を入れると「大変な状況」、今月中に方向性決める
A closed smoking area due to Covid-19 in Tokyo on Feb. 28.
A closed smoking area due to Covid-19 in Tokyo on Feb. 28. Photographer: Yuichi Yamazaki/Getty Images AsiaPac

首都圏4都県で発令中の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言について、政府は21日まで2週間延長する。5日の対策本部で決定した。

  菅義偉首相は記者会見で、4都県では感染者数や病床使用率などほとんどの指標が解除基準を満たしているものの、感染者の減少スピードが鈍化しており「リバウンドの懸念が高まっている」と指摘。2週間の延長は、病床のひっ迫を含め状況を見極めるために必要な期間だと説明した。

  医療関係者への接種を開始したワクチンに関しては「希望の光になる」と語り、4月末から規模を大幅に拡大していくと表明した。

  東京五輪・パラリンピックの海外からの観客については、「いざ観客を入れるとなると大変な状況になる」とした上で、水際対策に必要な人員確保の問題も含めて「今月中に方向性を決めたい」と語った。

  全国で停止している観光支援事業「Go To トラベル」は、緊急事態宣言後に各地域の感染状況を踏まえて判断すると話した。同日の参院予算員会では、月内に再開することは「現時点では難しい」との認識を示した。

東京都のコロナ感染状況

出所:東京都

  当初は1月8日から2月7日までだった緊急事態宣言は、重症者数を減少させる必要があるとして1カ月間延長されていた。大阪府や愛知県などでは2月末までに解除した。

  1月初旬に2500人を超えていた東京の感染者数は減少傾向が続いており、5日は301人(前日279人)だった。小池百合子知事は記者会見で、「これまでの努力が水泡に帰さないためにも、皆さんには原点に立ち戻ってもらいたい」と述べ、都民に感染対策の徹底を改めて呼び掛けた。

  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは4日のリポートで、政府にとって7月の東京五輪開催までの約4カ月間は、感染制御が最重要課題だと指摘。2週間後に緊急事態宣言が解除された場合でも、感染再拡大の兆しがあれば経済活動の自粛を呼び掛けることになるとみられ、「景気回復は東京五輪までの期間は弱々しいものになるだろう」と分析した

(菅首相の記者会見の内容を追加しました)
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