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なでしこジャパンの敗因は“鈍足”だったから? 極端に少なかった高速で高い強度のダッシュ 19年W杯フィジカル報告書

2020年7月7日 14時21分

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ランニングで汗を流す「なでしこジャパン」の選手たち

ランニングで汗を流す「なでしこジャパン」の選手たち

 国際サッカー連盟(FIFA)は6日、2019年女子W杯フランス大会のフィジカル分析の報告書を発表した。分析を担当したリバプール・ジョンムーア大学のポール・ブラッドリー博士は「驚くべきことは、11年大会と15年大会では、ほとんど変化はなかったが、19年大会では、あらゆるポジションで高強度のランニングが16~32%、増加していた。ゲームの進化を感じる」と報告した。女子サッカーも、より高速化し、インテンシティー(強度)が求められるようになってきたことを示しているという。
 これは同W杯での全52試合で各3台の高解像度カメラを使い、出場24カ国、出場した全436選手のプレーをトラッキング。走行距離やスピードなどを解析した。168ページにわたる報告書では、16強による決勝トーナメント1回戦で、オランダに敗れて敗退した、なでしこジャパン(日本)を含め、各国のデータも明らかにしている。
 日本は1試合あたりの総走行距離、1分あたりの速度とも、出場24チーム中トップクラス。しかし弱点として目立ったのは、時速19キロ以上での総走行距離が24チーム中21位だったこと。よく動き、スタミナもあったが、世界の潮流である、高速で高い強度のダッシュが、極端に少なったことが分かる。
 なでしこジャパンが優勝した11年大会以降、女子サッカーは、技術に加え、よりフィジカル化している、と言われてきたが、この報告書はそれを科学的に証明している。
 これらの分析は、来年の東京五輪で金メダルの獲得を目指す、高倉ジャパンの強化策にも影響を与えそうだ。

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