■ルノーはコンパクトEVの新型ZOEなどのオンラインツアーを展開
新型コロナウィルスの影響により、自動車販売は世界各地で大きく落ち込んでいて、工場の生産停止や縮小が続いています。ロックダウンされたインドでは、スズキやトヨタ、ホンダなどの2020年4月の販売台数が0と発表されています。
とはいえ、中国やアメリカ、欧州などで自動車生産の一部再開が始まっています。
そんな中、ルノーやジャガー・ランドローバーがオンライン、リモートサービスの拡大を欧州などで展開しています。
英国ではジャガー・ランドローバーがオンラインで新車・中古車販売などを提供していて、トリムなどの細かなオーダーまで応じてくれるそう。
コロナ禍以前の2019年5月以降、オンラインコンフィギュレータを使っていた5%のユーザーから拡大。最初のトライアル期間中に、330万人がオンラインでの購入を経験し、最初のオンラインを使ったユーザーは、119,000ユーロのレンジローバーだったそう。さらに、販売店のネットワーク全体で購入できる在庫のチェックもできます。
車両の受取などは、社会的距離と衛生面に関するガイドラインに従って準備された個別の引き渡し口を使って行われるそうです。
また、英国のルノーも新しいオンライン在庫予約ツールを発表しています。新しいオンライン在庫予約ツールでは、すべての乗用車・商用車が対象。
ユーザーは在庫の中から探しているモデル・仕様を選択できるもので、バーチャルショールルームを補完するツールになっています。在庫の中から探せば、数週間でユーザーの元にクルマが届くシステムだそう。より細かなユーザーの好みである仕様やカラーについては、ディーラーと話し合って対応するとしています。
さらに、バーチャルショールではコンパクトEVの新型ZOE(ゾエ)、新型クリオ、新型キャプチャー、新型カジャールのオンラインツアーも提供されています。
日本でも、トヨタのサブスクリプションサービスであるKINTOが、日産もサブスクリプションの「NISSAN ClickMobi」などオンラインを活用していますが、新車販売ではメルセデス・ベンツなどの輸入車勢が以前から限定車などで展開するなど、まだまだ大きな広がりにはなっていません。
直営系を除き、基本的に自動車メーカーとは別の販売会社から成り立っている日本車の販売現場だけに、オンライン化を進めるには販売会社も巻き込んだ戦略も必要になりそうです。
(塚田勝弘)