オリックス若手がキャンプ中に転落死…自殺か?将来を期待された天才肌の外野手

 沖縄の宮古島で春季キャンプ中のオリックス・小瀬浩之外野手(24)が5日午前11時45分ごろ、宮古島市にある選手宿舎のホテル(11階建て)の2階部分の屋上で死亡しているのを、駆け付けた救急隊員が見つけた。県警は飛び降り自殺したとみて、詳しい状況を調べている。小瀬外野手は、07年度大学生・社会人ドラフト3巡目でオリックスに入団。1年目から1軍で起用され、昨年は規定打席に届かなかったものの、打率・303を記録し、新任の岡田彰布監督からも大きな期待をかけられていた。球団は緊急ミーティングを開き、選手には死亡の事実のみが伝えられた。今後の練習は予定通り消化していく。

 宮古島市消防本部によると、5日午前11時半ごろ、オリックスのチーム宿舎となっている同市内のホテルから「男性が血を流して倒れている」との通報があった。

 6分後に救急隊員が駆けつけたところ、11階建てホテル隣接の、空調施設などが入る2階建て建物屋上スペースで、男性が靴を履かず、あおむけに倒れ死亡しているのが見つかった。「すでに死後硬直で、傷口もふさがった状態。後頭部の損傷が激しかった」(同本部)という。

 連絡を受けた球団職員が病院で、小瀬であることを確認。ホテル上層階の非常階段から転落し、発見までかなりの時間が経過していたとみられるという。

 その後、宮古島署が現場検証を行ったが、現場やホテル内の状況などから、同署は自殺の可能性が高いとみているもようだ。

 この日のチームはキャンプ初の休日だったが、岡田監督やナインも外出先から次々に宿舎に戻った。午後3時前には、岡田監督と、小瀬と親交が深かった北川ら3選手が宮古島署に向かい、事情聴取を受けた。

 午後4時からは緊急ミーティングが開かれ、チームに小瀬の転落死の事実が伝えられた。どの選手も無言で、目を赤くする選手もいた。

 大阪から駆けつけ、午後8時過ぎに会見した村山球団本部長は「まだ警察で調べておられるので詳しく申し上げることはできない」とし、遺書の存在などについても回答を避けた。6日には昨年12月に挙式した夫人ら遺族が、宮古島入りし、事情聴取を受ける予定だという。

 小瀬は、誰もが認める礼儀正しい好青年だった。打撃は天才肌で、プロ3年目の今年はレギュラー獲りに燃え、1月26日から宮古島に入って練習していた。

 前日のキャンプ4日目も精力的に動き、米球界から復帰した田口に外野守備の教えを請う一幕も。練習終了後には、今年のチームの猛練習について「こんなに練習したことはない。田口さんが入ってとても楽しくやっている。あす(休日の5日)は昼ぐらいまで寝てると思います」と話していた。

 小瀬の部屋は1人部屋で、その後、宿舎に戻った後の小瀬の行動について球団側は「把握していない」としている。

 だが、午後6時ごろには、近大時代の同級生のヤクルト・山本と、2年後輩のヤクルト・荒木にそれぞれ電話していた。山本には今キャンプに入って早くも3度目の電話だったというが、会話内容自体は変わった様子はなかったという。キャンプ休日のこの日も、午後7時から夜間の休日返上練習に参加予定だった。

 村山球団本部長は「明日以降、きっちり警察から説明があると思います」と話した。キャンプについては、今後も継続していく。

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