DeNA砂田 沙保里に学ぶ勝利の極意

 目に入ったのは、見たことのある、それでいて思ったより小柄な女性の姿だった。DeNAの砂田毅樹投手(19)がプロ初勝利から一夜明けた9日、早朝の新幹線で横浜に移動した、その道中。うれしい出会いがあった。

 「聞いて下さいよ。(レスリング世界女王の)吉田沙保里さんが、後ろの席に座ったんです」。横浜スタジアムでの練習を終えて、興奮気味にまくしたてた。

 新幹線車中。ふと目覚めた名古屋駅。霊長類最強女子の姿が視界に映る。「横を通って、あっ、と思ったら、真後ろに座ったんです」。同期の関根が面識はある。連絡を取り、メールで仲介してもらう。立ち上がって振り向いた。「DeNAの砂田です!」-。

 前夜は5回無失点。中畑監督からは「きのうは公開説教したんだ。先発するなら6回、7回投げないと。五回戦ボーイは卒業だよ」と、一段階上の要望を突きつけられた。次は15日の巨人戦(横浜)。砂田は「2回目の対戦。初物に弱いというなら、研究してくるその上をいって、別の投手というイメージで対戦させたい」と2勝目を狙う。

 「今度、ご飯を食べに行こう」。吉田の言葉に二つ返事で了承した。「オーラがありました。負けないというのはすごい。気持ちの持ち方を聞いてみたい」。プロ1勝左腕は、最強女子に学ぶ。

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