夏休みの宿題によく出される、「読書感想文」。今年はワンランク上の感想文を目指してみませんか? 「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版刊)に掲載された、オリジナル感がグンと出る読書感想文の書き方のコツを紹介します。

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「感想文の書き方すら教えないまま、宿題に出す小学校もあると聞きますが……。書き方がわからない子どもに無理強いすると、本が嫌いになってしまうと思います」

 そう話すのは、小学校教諭の経験があり、現在は国語塾「ふくしま国語塾」を主宰する福嶋隆史先生。ならば親子で楽しみながら、わが子にプラスになるようなサポートができないものでしょうか。

 福嶋先生によると、子どもたちの読書感想文にありがちなパターンは以下の2つだそう。

1.ただの感想文
“ありがち読書感想文”のナンバーワン! どんな本を読もうとも、感想は「おもしろかった」「楽しかった」「よかった」「悲しかった」などの一点張り。ほかの感情表現が登場しないため、“どんなふうにおもしろかったのか”“どこがどう楽しかったのか”も伝わらない感想文に。

2.あらすじだらけの作文
 本の内容を伝えるために、本をぱらぱらとめくりながら、中身を抜き書きしただけの作文。つまり感想文というよりも、だらだらとあらすじだけで原稿用紙を埋め尽くした、“あらすじ作文”になってしまう子が少なくない。

 では、どうしたらもっとオリジナル感のある感想文が書けるのでしょうか? 福嶋先生は「“感想文”と思うと、幅が広すぎて書けなくなってしまうので、“解釈文+体験談”ととらえてはどうでしょうか」とアドバイスします。

 それには、本の内容をしっかりと解釈し、主人公の心情の「変化」を読み解くのがカギになります。

「解釈のポイントは対比です。ほとんどの物語は、『臆病(A)だった主人公が、挑戦したことで勇敢(B)になった』というように、「AからBへ」という主人公の心情の変化を書いたものです。細部よりもその大まかな変化を捉えることこそ、“解釈”。解釈のコツを身につけると、これからどんな文章を読むときでもきっと役立ちますよ」(福嶋先生)

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竹倉玲子
竹倉玲子

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