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為替週間見通し:底堅い動きか、市場混迷でドル選好地合いは変わらず

2020/3/21 16:27 FISCO
*16:27JST 為替週間見通し:底堅い動きか、市場混迷でドル選好地合いは変わらず 【先週の概況】 ■大規模財政出動への思惑などでドル買い強まる 先週のドル・円は上昇。欧米諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、株式市場の混乱は収まっていないことから、債券などの保有資産を換金する動きがさらに拡大した。ドル資金需要の高まりにつれて、米長期金利は大幅に上昇したことも材料視されたようだ。米国政府による大規模経済対策への期待が高まったことや、欧州各国が大規模な財政出動を検討しているとの観測が広がり、原油先物は一時反発したことから、リスク選好的なドル買い・円売りが強まり、20日のアジア市場でドル・円は一時111円36銭まで買われる場面があった。 20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時111円51銭まで上昇した。2月の米中古住宅販売件数が予想を上回ったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産購入規模をさらに拡大させるとの観測が浮上したことがドル買いにつながった。多くの国で財政支出の拡大や金融緩和を強化することが予想されており、ドル買い・円売りが優勢となった。 ただ、ニューヨーク州知事が企業に在宅勤務を命令したことを警戒してリスク選好的なドル買いは縮小し、ドル・円は110円88銭でこの週の取引を終えた。先週のドル・円の取引レンジは105円15銭から111円51銭となった。ドル・円の取引レンジ:105円15銭−111円51銭。 【今週の見通し】 ■底堅い動きか、市場混迷でドル選好地合いは変わらず 今週のドル・円は下げ渋りか。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による金融市場の混迷は続いており、基本的にはドルが選好される地合いは変わらないとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を1ポイント=100bp)引き下げ、0.00−0.25%とし、実質ゼロ金利政策に踏み切った。ただ、市場は景気の先行きに不安を強めており、リスク資産を整理する動きは続いている。 また、ウイルス感染の被害の中心はアジアから欧州に移り、ユーロ圏諸国への経済的な打撃を警戒したリスク回避的な円買いが観測されており、ユーロやポンドなど欧州通貨を押し下げている。こうしたなか、米トランプ政権は新型コロナウイルスの経済への悪影響を抑えようと、1兆ドル規模にのぼる経済対策を打ち出した。経営が悪化している企業への資金援助のほか納税の猶予、国民への直接的な現金給付などを盛り込む方針。また、米連邦準備制度理事会(FRB)はコマーシャルペーパー(CP)市場を通じた企業の借入れ支援を決定した。一方、トランプ政権の経済対策は歳出拡大回避の観点から議会との調整の難航も予想され、期待通りの対策にはならない可能性もあるため、株式などのリスク資産の換金売り(対象は株式、債券、一部商品など)は継続する可能性がある。アジア、欧州諸国などでドル需要は依然として強いことから、ドルは底堅い動きが続くとみられる。 【米・10-12月期国内総生産(GDP)確報値】(26日発表予定) 26日発表の米10-12月期国内総生産(GDP)確定値は、前期比年率+2.1%程度と予想されている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が全くない時点の経済指標だが、市場予想を下回った場合、リスク回避的なドル売りがやや強まる可能性がある。 【米・2月PCEコア価格指数】(27日発表予定) 27日発表の米2月個人消費支出(PCE)のコアデフレータは、新型コロナウイルスの影響が多少出ることから、伸び率は鈍化する可能性がある。ただし、消費意欲は減退しつつあり、1月実績を下回った場合でもドル売り材料にはならないとみられる。 予想レンジ:109円00銭−113円00銭 《FA》