発熱後に容体が急変しICUへ

4月23日朝、新型コロナウイルスの肺炎により、女優でタレントの岡江久美子さんが亡くなっていたことがわかった。63歳だった。

所属事務所の発表によると、岡江さんは4月3日に発熱。自宅で療養していたが、6日の朝に容体が急変し、都内の大学病院に緊急入院した。

すぐにICUで人工呼吸器を装着。その後、PCR検査を行い陽性と判明したという。
懸命な治療が続いたが、23日朝に息を引き取ったということだ。

岡江さんは2019年末に初期の乳がんの手術を受け、1月末から2月半ばまで放射線治療を行っていた。免疫力が低下していたのが、重症化の原因ではないかとみられている。

岡江久美子さんは、1956年生まれの63歳。
1975年にテレビドラマの主演で芸能界デビューすると、女優だけでなく朝の情報番組の司会をこなすなど、マルチな活躍を見せていた。

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1983年には俳優の大和田獏さんと結婚。おしどり夫婦として知られ、2004年には夫婦関係について次のように話していた。

岡江久美子さん(2004年):
私の場合はベタベタもしてませんし、すれ違い夫婦。家の中ですれ違う感じ。2階に行けば1階に行って、あまり一緒にベタベタいないことの方が新鮮で。食事の時はもちろん一緒ですけど、いつまでもベタベタしない方がいいんじゃないですか。話題も広がるし、その方が

岡江さんの夫で俳優の大和田獏さんと娘で女優の大和田美帆さんは、現在それぞれ自宅で外出を自粛しているといい、連名でコメントを出した。

【大和田獏・大和田美帆 コメント】
岡江久美子が4月23日5時20分に新型コロナによる肺炎の為、永眠いたしました事をご報告いたします。
今はただ残念で信じがたく、悔しくて悔しくて他は何も考えられない状態です。
どうかそっと送って頂きたいと願っています。
仕事関係者の方々、ファンの皆様、ご友人の皆様、長いお付き合いを感謝致します。
また、全力を尽くして治療にあたって頂いた医療関係者の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございました。
皆様、コロナウイルスは大変恐ろしいです。どうかくれぐれもお気をつけください。

義兄・大和田伸也さんら芸能界から悲しみの声

芸能界にも早すぎる死に衝撃が走っている。夫・大和田獏さんの兄で、岡江さんの義理の兄にあたる大和田伸也さんは、自身のツイッターで…

大和田伸也さん(ツイッターより):
獏と二人は、自慢のすばらしい夫婦でした。私にとりましても、久美ちゃんは最高にかわいい、いい義妹でした。獏から入院していると聞いた時、まさかこんな日が来るとは思ってもいませんでした。残念です。悔しいです。若い頃からの思い出は尽きません

歌手の藤あや子さんは、岡江さんとのツーショット写真をブログに掲載。

藤あや子さん(ブログより):
大先輩なのに気さくでサッパリしてらして、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。悲しくて悲しくて…新型コロナウイルスが心から憎いです。お別れを告げるには早過ぎます

長年、番組で共演した中山秀征さん:
何がなんだか理解できません。大変お世話になり、長年レギュラー番組でもご一緒させて頂きました。いつも明るく元気でタフな岡江さんが目に浮かびます。信じられません。残念です…謹んでご冥福をお祈り申し上げます

秋野暢子さん(ブログより):
芸能界、同じ時代を生きた仲間。悔しい。悲しい。コロナ許せない!ほんとに残念

市川海老蔵さん(ブログより):
岡江久美子さん。信じられない。もうコロナ早く終わってくれ…

桂文枝さん(ブログより):
ひどい。ショックですね。いまのままでいいのかと心配です。合掌

山田邦子さん(ブログより):
絶句です。放射線治療は毎日病院に通うのでどこでどう感染したのかはわかりませんが、おそらく乳がん手術は成功したから放射線治療に進んだはずだから残念過ぎます。最後までがんばったんだと思います。つらい、つらすぎます。

番組で共演した須藤理沙さん(ツイッターより):
岡江さんが居るだけでパッとそこだけ光が当たったかの様に皆んなが笑顔で、本当に太陽の様な方でした。岡江さんのような人になりたい。今でもずっと憧れの人です。心よりご冥福をお祈り致します

通夜および葬儀は未定で、後日、お別れ会を実施する予定だという。

初期乳がんで放射線治療も 免疫力低下が重症化の原因か

加藤綾子キャスター:
所属事務所によりますと、2019年末に初期の乳がんの手術をして、2020年1月末から2月半ばに放射線治療を行っていたということです。

そして、4月3日に発熱。「4~5日、様子を見るように」と医師から言われたということですが、6日朝に容体が急変し、大学病院に緊急入院。すぐにICUで人工呼吸器を装着し、その後、PCR検査で陽性の判定が出ました。

懸命な治療が続きましたが、23日朝、新型コロナウイルスによる肺炎のために亡くなったということです。

二木先生、初期の乳がんの治療、放射線治療というものが、新型コロナウイルスがあっという間に重症化していくということにつながったのでしょうか。

昭和大学病院 二木芳人客員教授:
その可能性は否定できないと思います。まだ若いのに…乳がんの手術は初期ということですから、それほど侵襲も大きくないし、うまくいったと思います。ただ、目に見えない転移があってはいけませんので、念のために放射線を当てると、どうしても肺にかかります。

ですから、肺に放射線のダメージがあったという可能性が1つ。それから、(発表には)書いてありませんが、ひょっとしたら抗がん剤などもお使いになっていたら、そういうものによる免疫への影響は、やはり急激な悪化の1つの要素として可能性は否定できないですね。

加藤綾子キャスター:
3日の時点で発熱して、持病といいますか、乳がんで放射線治療を2019年末に行っていたということになると、「4~5日様子を見るように」という判断はどうだったのでしょうか?

昭和大学病院 二木芳人客員教授:
やはりどうしても検査がたくさんできないような状況にありますので、比較的症状が軽い方ではこういうことになりますが…本当はがんですとか、あるいは放射線治療を受けているので、もう少し優先的に検査を早めてもよかったかとは思いますけれども、それでも入院されてあっという間でしたので、この疾患の特性もあると思います。

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
感染者の約80%は軽症だと言われますが、その言葉に惑わされないほうがいいような気がします。

加藤綾子キャスター:
その通りですね。謹んでお悔やみ申し上げます。

(「Live News it!」4月23日放送分より)