新型コロナウイルスの治療薬として、抗ウイルス薬「レムデシビル」が5月7日夜に開かれた国の審議会で了承され、加藤勝信厚労相が特例承認を行った。

 
 
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加藤勝信厚労相:
1日も早く国民の皆さんに新型コロナウイルスの治療に資する薬が届くことができるように最善を尽くしていきたい。

「レムデシビル」は日本で初めての新型コロナウイルスの治療薬で、申請から3日後の異例のスピード承認になった。

投与は人工呼吸器をつけているなどの重症患者が対象になる。一方、腎機能障害がある患者については注意して投与することが必要としている。

厚労省は病院ごとに必要な患者数を把握し配分することにしているが、時期は決まっていないという。

本来はエボラ出血熱の治療目的で開発

改めてこのレムデシビルとはいったいどのような薬なのか?

安宅 晃樹キャスター
国内初の治療薬となる「レムデシビル」を詳しく見ていきます

安宅 晃樹キャスター
「レムデシビル」はアメリカ・カリフォルニア州に本社を置く製薬会社「ギリアド・サイエンシズ社」が製造し、もともとはエボラ出血熱の治療を目的として開発されているまだ新薬候補です。感染拡大が続くアメリカでは5月1日に緊急使用が認められました

レムデシビルの新型コロナへの効果は?

安宅 晃樹キャスター
では、どのような薬の効果があるのか?レムデシビルはまず人工呼吸器ECMO(体外式膜型人工肺)を必要とする重症患者向けの薬とされています。アメリカでは実際に重症患者200人に5日間投与した結果、10日後には半数を超える65%の患者が回復したという結果も出ています。ただ一方で副作用として肝機能の低下が見られたという報告もあがっています

レムデシビルの供給量は足りるのか?

安宅 晃樹キャスター
供給量は現状は全世界で14万人分。今年の10月までに50万人分、12月までには100万人分の生産を目指すとしています。気になるのが日本への供給。アメリカの重症患者数は現在1万5000人以上とされている一方で、日本は日本集中治療医学会によると国内の重症患者数は約300人とされていて、この中でどれだけ提供されるのかが今後のカギとなってきそうです。また、加藤厚労相は7日「いつ日本へレムデシビルが到着するかは確定していない。あらゆるルートを使って必要な量の確保に向けて努力していきたい」と話しています。

(「Live News α」5月7日放送分)