新型コロナウイルスの感染拡大はいまだに終息の兆しが見えない。
そんな中、シリーズで連載する「名医のいる相談室」では、各分野の専門医に病気の予防法や悩みの対処法などをわかりやすく解説してもらう。

今回は、「家庭で簡単に出来る不眠解消法」について、精神科医の貴公子・藤野智哉先生に話を聞いた。

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コロナ禍で不眠になる人は多い

<相談1>
在宅勤務のストレスで夜なかなか眠れません

藤野智哉先生:
(コロナの)慣れない環境下なのでストレスが溜まって不眠になる方は多いです。
生活習慣の乱れなども不眠の原因になりますので、出来ることをやって行きましょう。

【ポイント1】
まず1つ、気軽にできるのは、寝る前の4時間はカフェインを摂らないようにすること。

コーヒーなどはカフェインが入っているので、ホットミルクやハーブティーに代えてみる。そういったことをしてみて、少し睡眠の質を上げてみるのがいいと思います。

【ポイント2】
3食決まった時間にきっちり食べる。寝る前3時間は物を食べない

自宅にいることが多いので昼寝を多くしてしまう方も多いと思いますが、昼寝は15時より前の20分から30分に抑えてください。それくらいであれば夜の睡眠に影響はありません

ベルガモットの香りはリラックス効果があります。
お湯を張ったコップにアロマオイルを1~2滴注ぐだけで、とっても簡単なので是非やってみてください。

オイルが無い方はオレンジの皮などを置いておくだけでもいいですし、料理にパセリを使うのもいいと言われています。

不眠を治すには「早起き」から

<相談2>
生活習慣で気をつけることはありますか?

藤野智哉先生:
パソコンやスマホを夜寝る前までいじっていると、ブルーライトが不眠に影響すると言われています。ベッドに入ってから携帯をいじっているのは好ましくないです

まず、不眠を治そうと思ったら、早起きをするところから始めてください。
早く布団に入るところからではなくて、「早く起きる」ことによって自然に夜早く眠くなるというのが理想な形です。
早く布団の中に入ってゴロゴロして寝られないと言っている方がいますが、そうすると布団が寝る場所ではなくなるので、もっと寝られなくなってきます。

一般的な不眠だけであれば、すぐに病院に行く必要は無いです。
ただ、寝ていて足がムズムズしてきて寝られないなどの症状が出てきた場合は、他の病気の可能性があるので病院に早めにかかるとより良いと思います。

不安は書き出してみる

<相談3>
不安を取り除く具体的な方法は?

藤野智哉先生:
今、ご自身がなぜ不安なのかをまず整理することが必要です。そのために便利なのはまず、書き出していく方法

【ポイント】
「ウイルスが入ってこないか心配だ」とまず、書き出してみる。

家の中に居るのであれば、ウイルスは勝手には入ってこないから、ずっと家の中にいる間は、テーブルを拭く必要もないし、手洗いをする必要もないです。
なので今まで無駄に拭きすぎていたということがわかってきます。

また、家族の方や身近な人がちょっと過剰に不安になりすぎている時は、その人が不安を整理するお手伝いをしてあげる。
何が不安なのかをしっかり聞いてあげて、一緒に解決方法を考えてあげる

信頼できる第三者の目線というのはすごく大事です。話すだけでもちょっと不安感が和らいだりします。不安の共有です。
 

名医のいる相談室
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