“清宮1強”に待った 怪物高校生に元甲子園スター…今秋ドラ1候補はこの12人

現役スカウトが推す逸材は? 「清宮世代」は好打者ぞろい

 2017年を迎えてアマチュア球界も始動し、プロ入りを夢見る逸材たちがスタートを切った。昨年のドラフトでは創価大・田中正義投手が5球団競合の末にソフトバンクに入団。大きな話題となったが、果たして今年、最高の栄誉となる「ドラフト1位」の称号を得る12人は誰か。現役スカウトへの取材をもとに、候補者12人をリストアップした。

◯早実・清宮幸太郎(内野手/右投げ左打ち)

 押しも押されもしない目玉候補だ。入学当初から「怪物」と騒がれたスラッガーは、1年夏に出場した甲子園では2試合連続本塁打を放ち、4強入り。唯一、3年生以外で選ばれた高校日本代表でも4番に座った。その後も本塁打を量産し、2年秋終了時点で通算78本塁打をマーク。史上最多とされる107本超えも期待がかかり、1位競合は間違いない存在だ。

「将来性に加えてスター性もある。5~6球団競合してもおかしくない」と、あるパ・リーグスカウトは言うが、「プロ志望届を提出すれば…」という条件が付く。父は言わずと知れた早大OBのラグビー・ヤマハ発動機監督・克幸氏で、清宮自身も小学校から早実に通う生粋のWASEDA家系。どれだけアーチを描くかという期待とともに、進路にも大きな注目が集まっている。

○履正社・安田尚憲(内野手/右投げ左打ち)

「東の清宮、西の安田」として熱視線を浴びる未来のスラッガー。T-岡田(現オリックス)、ヤクルト・山田(現ヤクルト)ら強打者を輩出した大阪の名門で2年春から4番に座る。184センチの清宮を上回る長身188センチはスケール感もたっぷりで、サードをこなせることも魅力。昨秋の明治神宮大会決勝では清宮擁する早実から一発を放ち、日本一に輝いた。高校通算45本塁打。前出のスカウトが「安田次第で清宮の指名が分散する可能性もある」と言うほど評価は高く、清宮主役のドラフト戦線に待ったをかける。

○九州学院・村上宗隆(捕手/右投げ左打ち)

 入学当初、清宮と並んで「スーパー1年生」と騒がれた大器。持ち前のパンチ力を生かし、熊本の強豪で1年春から一塁手でレギュラーをつかんだ。夏の熊本大会では満塁アーチを放つなど、大活躍で甲子園に出場。秋から中学時代に務めていた捕手に転向した。芯でとらえた打球の鋭さは上記2人にも劣らないものを持っており、捕手としても高校生では屈指の強肩も魅力。「打てる捕手」は現在のプロ球界でも希少なだけに、将来性を見込めば、1位指名も十分に考えられる。

○熊本工・山口翔(投手/右投げ右打ち)

 将来のエース候補として毎年、魅力あふれる高校生投手。現時点でのNO1評価は、九州の本格派右腕の名前が真っ先に挙がった。180センチから、しなやかな腕の振りで150キロ近い直球を投げ込む。甲子園は未出場で全国的な知名度は低い。ただ、昨夏の熊本大会は準々決勝・秀岳館戦で敗れたが、センバツ4強の強豪を延長戦まで苦しめたように、全国レベルと言っていい。まだ線の細さが目につく体は、伸びしろの裏返し。高校生はひと冬でガラッと成長することがあり、一気にブレイクしてもおかしくない。

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