CSで敗退の阪神、来季躍進に必要なこと 巨人に完敗して手にした「糧」

阪神・北條史也、近本光司、大山悠輔(左から)【写真:荒川祐史】
阪神・北條史也、近本光司、大山悠輔(左から)【写真:荒川祐史】

巨人に1勝4敗で日本シリーズ進出ならずも…野口寿浩氏は「来年の阪神は少し楽しみ」

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは巨人が4勝1敗で制し、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。レギュラーシーズン最後の6試合に全て勝利して逆転でCS進出を決め、ファーストステージでは2位DeNAを破って“下克上”を果たした阪神はファイナルステージで敗退。ミラクル快進撃は止まったが、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨季まで2年間はヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は「来年の阪神は少し楽しみ」と期待を寄せる。

 巨人に力の差を見せつけられたCSファイナルについて、野口氏は「本当なら阪神が巨人の嫌がることをどんどんやっていかないといけなかったのに、巨人が阪神の嫌がることをどんどんやっていった」と指摘。丸が決勝点をもぎ取るためにセーフティスクイズを決めるなど「巨人が上手だった」と振り返っていたが、だからこそ、この敗戦は来年以降の阪神にとってプラスになると予想する。

「こういう試合を経験して阪神の選手全員がこの巨人を上回るためにどうしたらいいとか、自分たちに何が足りないとか、そういうところをしっかり勉強していれば、来年の阪神は少し楽しみかなと思います。負けたら終わりという試合を何試合もやってきて、そのたびに粘って、というところをペナントレース終盤から見せてきた。その中での最後がこういう負け方なので、学んだ若手が一回りも二回りも成長してくれるのであれば、来年の阪神は楽しみですね」

 勢いに乗って決戦に臨み、迎え撃った巨人に跳ね返された。肌で感じたものは多かったはず。野口氏はそう見ている。そして、本当にチームが成長するために、来季は若手がベテランを引っ張る形にならなければいけないと話した。

「巨人と戦って、ここで何してくるか分からない、どういうふうな野球をしてくるのか、というところを肌で感じたわけなので、若手が多い阪神はもっと強くなります。やはり、今年の巨人は個の力ではなく、チーム力が凄かった。阪神はこの3つの負けを本当に肥やしにしていかないと。若い選手がそれをできれば強くなります。それを手助けするのが外国人選手とベテランという形になればいいですよね。つまり、福留と糸井が手助けをする、と。今はまだ福留、糸井に引っ張ってもらっているので、こういう戦いから得たものを若手が生かして、どんどん大きくなっていって、CSでも活躍した近本、大山、北條らがベテランと外国人選手を引っ張っていくような形にならないといけない。そう簡単にはいかないでしょうけど」

 この敗戦で若手の意識にどれだけの“変化”が出るかがポイントになるという。

「小野、才木、岩貞、そしてなんと言っても藤浪」

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