2017年7月13日に発売された、任天堂の携帯ゲーム機「Newニンテンドー2DS LL」(以下、New 2DS LL)は3D映像(立体視)機能が削られ、“2Dゲーム機になって大きくなった3DS”と言えるかもしれません。そんなNew 2DS LLは、同様に4.88インチの上画面を備えた「Newニンテンドー3DS LL」(以下、New 3DS LL)や、本体を折りたためない「2DS」といった旧機種どう違うのか? 気になるところを米ギズモードのAlex Cranzがレビューしています。
※New 2DS LLにはリージョン制限があるため、記事中のゲームタイトルは海外版の名前を記載した後に括弧内に対応する日本語タイトルを記載しています。
飛ぶように売れているNintendo SwitchもNew 2DS LL同様に、車や電車の中でも、バーでだって遊べます。スマホ向けゲームの質も高くなりましたね。でも、Switchのゲームはまだ少ないですし、スマホには何日も没頭できるようなゲームはまだありません。
だからどこにでも持ち運べて、最高のゲームをいくつもプレイしたいなら、多くのタイトルが発売されているNintendo 3DSファミリーのどれかが必要なんです。
3DSは今までに6種類発売されていますが、それぞれに何らかの欠点があり、使いやすさと手に入れやすさが完璧に融合することはありませんでした。しかし、New 2DS LLでそれも終わりです。
初代3DSと比べてみる
New 2DS LLの「New」は、私がわざわざつけたわけではなく、任天堂の命名によるものです。New 2DS LL(と2014年に発売されたNew 3DS)はどちらも初代3DSから進化したものですが、筐体が新しくなっただけではありません。New 2DS LLでは初代2DSや初代3DSではプレイできなかったゲームも遊べるのです。
たとえば、New 3DS専用ソフトとしては『Xenosaga Chronicles 3D』(邦題『ゼノブレイド』)があります。専用ソフトはそんなに多くないですが、昔の3DSファミリーしか持っていない人に「New 3DS、持ってたらな…」と思わせるくらいに良い専用タイトルも十分でています。バーチャコンソールでは『Donkey Kong Country』(邦題:『スーパードンキーコング』)や『Street Fighter Alpha 2』(邦題:『ストリートファイターZERO 2』)、『F-Zero』などが遊べます。
New 2DS LLはストレージ用のmicroSDスロットを備え、ゲームキャラクターフィギュア型周辺機器「amiibo」にも対応しています。Newが頭につかない3DSシリーズと比べると、本体の肩側にZRボタンとZLボタンが、Xボタンのうえにはアナログジョイスティック「Cスティック」が増設されています。
サイズと重量のちがい
New 2DS LLは、安売りカートに入っているパチモンみたいな見た目をした2DSをただアップデートしただけのものでもありません。任天堂は醜い石版みたいな2DSのデザインを捨て去り、ほかの3DSみたいな折りたたみ式をNew 2DS LLに採用しました。150ドル(日本希望小売価格:1万4980円+税)という価格はNew 3DS LLよりも60ドル(日本国内希望小売価格では5000円弱)安いです(News 3DS LLにはACアダプターが同梱されないのでその値段も足した比較にしています)。
心の底から3D映像(立体視)機能が欲しいと言う人以外は、買うならNew 2DS LL一択になるんじゃないでしょうか。
安いだけでなく、New 2DS LLはNew 3DS LLよりも軽量です。重さは初代2DSと同じ約260g、New 3DS LLは約329gです。60gの差は一見微妙に見えますが、私の場合はバッグにNew 3DS LLを入れるとその重さを意識してしまいましたが、New 2DS LLの場合は入っていることを忘れてしまいました。
New 2DS LLは、ほかの3DSファミリーと比べてより小さく畳めます。石版のような初代2DSは127mm×144mm。畳んだNew 2DS LLは86.4mm×159mm。先代よりもかなりポケッタブルですし、折りたたんで93.5mmx160mmのNew 3DS LLと比べても小さいです。
各スロットがきれいに隠されている
また、New 3DS LLには二つの大きな問題がありました。一つは、ゲームカートリッジが常に見えており、見た目が良くないこと。もうひとつは、microSDカードを入れ替えるにはドライバーと少しの忍耐力が必要なことです。New 2DS LLはこのふたつの問題をデバイス下部の小さなドアに両スロットを隠すことによって解決しました。
3D映像(立体視)機能がそぎ落とされていますが、New 2DS LLは手に入る中で最高の3DSです。
ヒンジの緩さがちょっと気になる
しかしNew 2DS LLにだって小さな問題はあります。
スピーカーがデバイス下部にあるのですが、位置的に自分の手のひらでときどき遮ってしまうことが。そうなると音がこもってしまいます。また、手で覆っていない状態でも音が小さすぎますね。
ゆるめに作られたヒンジ部分もチープに感じます。この部分はNew 3DS LLのほうが豪華な作りになっています。例えて言うならNew 3DS LLは高級車のレクサスで、New 2DS LLは堅実な世界戦略車であるトヨタ・カムリ、みたいな感じかな。カムリでよく運転する身にとっては、これで全然OKなんですけどね!
New 2DS LLは私にとっては十分なゲーム機です。DS、3DS、New 3DSと豊富なゲームから好きなものを選んで遊べるし、『メトロイド』の新作も9月に出ます。このゲーム機は私のバッグの中にしばらく居座り続けるでしょう。すでにNew 3DS LLを持っていても、3D映像(立体視)機能を使わないのであれば買い替えてみる価値があると思いますし、古い3DSからアップグレードしたいという人や、ちゃんとしたモバイルゲーミングに足を踏み入れたい人にとっても、このゲーム機は買いでしょう。
総評・2DSシリーズ初の「お金の節約のためとか、3D嫌いの妥協品」ではない代物。
・New 3DS LLよりもやや小さく、軽量。
・New 3DS LLと比べると少々チープな感じだけど、とても頑丈な感じ。
・数々の名作ゲームが遊べる。
Image: Alex Cranz/Gizmodo
Alex Cranz - Gizmodo US[原文]
(abcxyz)