優れたノイズキャンセリング機能を搭載したJBLの新型ワイヤレスヘッドホン「Everest Elite 750NC」を米GizmodoのAdam Clark Estesがレビューしています。Beatsに代わる最高のヘッドホンと評した前モデルのEverest Elite 750から、どのようにパワーアップしたのでしょうか?
JBL Everest Elite 750NC
価格:300ドル(約3万3000円)
これは何?:ワイヤレスのBeatsのライバル、もっと低音が大きい。
良いところ:アプリで調整可能な素晴らしいノイズキャンセリング機能。
悪いところ:中高音域が弱い。
数年前、私はJBL Everest Elite 700(前モデル)を、値段の高くて「トリッキー」なBeatsに代わる最高のヘッドホンだと宣言しました(訳注:現在米Gizmodoの「最高のヘッドホン」記事に行っても該当機種は見られないが、2015年末の段階では「最高のBeatsの代替ヘッドホン」に選出されていた)。音も素晴らしいし、値段もよりやすく、見た目はBeats Studio Wirelessにかなり似てます。でもJBLの新モデル、Everest Elite 750NCはそれよりもさらに凄い傑作機なんです。
250ドル(約2万7000円)のEverest Elite 700と、新型の300ドルのEverest Elite 750NCの目立った違いが何かというと、デザインです。新モデルは旧モデルに似た輪郭ではあるものの、750NCのほうがどう見ても滑らかで軽くなっています。傾斜の付いた、スイベルジョイントつきの楕円形のイヤーカップは、より人間工学的にフィットするほか、ヘッドバンド頭頂部のクッションも長時間の音楽鑑賞を楽にしてくれます。750NCはその先代機と同じく、とてもしっかりしたつくりであることを感じさせてくれると同時に、数分も着用していればつけていることを忘れてしまうんです。付け心地に関しては、しっかりフィットしながらも付け心地の良いBeats Studio Wirelessと似ているとも言えるでしょう。しかしどんなに付け心地がいいヘッドホンでも、別の部分の質がよくないと意味ないですよね。
音質です。それがJBL Everest Elite 750NCとその先代機、そしてBeatsを隔てるものとなっています。750NCはビッグなサウンドを聴かせてくれます。音量をいっぱいまで上げてDaft Punkの『The Grid』(映画『トロン:レガシー』のサントラ)のような曲を聴けば、ベースが感じられるんです。レッド・ツェッペリンの『Stairway to Heaven』を聴けば、目を閉じてサウンドスタジオに座って、アンプに直差しして聴いているかのよう。『Jesus, etc.』はまるでタバコを吸っているかのよう、きっと15年前にこの曲がリリースされたときにWilcoが意図したのはこの感じだったのでしょう。
このヘッドホンは大きな音が鳴らせるから楽しいのです。380ドル(日本価格:3万6800円+税)のBeats Studio Wirelessと比べて、より安価なJBL Everest Elite 750NCのほうが低音中心の曲でズンドコ聴かせてくれます。しかし、正確性はと言えばそこまでではありません。小さく、よりデリケートな高音や音のテクスチャーは、私が「ぼんやりした中音」と形容する音の中に失なわれていて、自然と低音中心になります。より高価なBeatsはと言えば、より明瞭でディテールのある音になっています。その忠実性にお金をどれだけ払えるか、というところですが、この違いに80ドルの価値はないかも知れません。
新しいJBLのヘッドホンにあって、Beatsのどのヘッドホンにもないものがあります。それがより柔軟性のあるノイズキャンセリング機能です。Beats Studio Wirelessも750NCもアダプティブノイズキャンセリング(ANC)機能を提供しています。しかし実際には、JBLはアプリと連携したノイズキャンセリングができ、周囲の音に対応した複数のモードがあるのです。My JBL HeadphonesアプリをiOSもしくはAndroidに入れて、どうれだけの環境音をノイズキャンセリング機能がブロックするかを調整できるのです。街中を歩いていて車に轢かれないよう交通の音は聞こえるようにしたいと言うときには、(キャンセル度合いが)低い設定がいいですよ。雑音の多い喫茶店ですべてをシャットアウトしてR&Bを聴きたいというときには、ノイズキャンセリング機能を最高にすればいいですよ。
さて、本題に入りましょうか。日常使いには、300ドルのJBL Everest Elite 750NCは、380ドルのBeats Studio Wirelessの替わりとなるしっかりとしたヘッドホンで、特に優れたノイズキャンセリング機能も持っている点も評価できます。でも本当の質問は、Beatsの替わりにJBLを今すぐ買うべきかどうか。昨年Appleは新バージョンのBeatsXとPowerbeats3ワイヤレスイヤホンにSolo3の新モデルもリリースしています。Studio Wirelessは3年前の登場以来、なにも新しくなっておらずBest Buyでは現在200ドル(約2万2000円)で安売りされています(Appleでは380ドルで販売)。正直言ってこの値段なら良い買い物でしょう、しかしセールというものはいつあるのかわからないものだし、それにJBLのヘッドホンは発売されたばかりです。
もし大きな低音が好きで、ノイズキャンセリング機能の調節も好きであればJBL Everest Elite 750NCは素晴らしいチョイスです。どう評価しようが素晴らしいヘッドホンであることは変わりありません。そして低音は大抵のものよりもエクストリーム(ちょっと驚くほど)ですし、音の忠実性の面では、まあ例えるなら500ドル(約5万5000円)のゼンハイザー(訳注:Sennheiser Momentum 2.0 Wireless、ANC機能付き)ほどはよくありません。ノイズキャンセリング機能は世に出ているほとんどのものよりもよいですし、柔軟性も良い点です。このJBLは写真のような、イカした光沢のある青色のバリエーションもあるんです。でも黒いやつにしたってBeats軍団と比べればかなりユニークに見えます。
総評・ビッグな低音中心のサウンド、しかし中高音域には弱い。
・アプリで便利に調整可能な素晴らしいノイズキャンセリング機能。
・ノイズキャンセリング機能をオンにしていても15時間の素晴らしいバッテリーの持ち。
・とても軽く、付け心地がよく、超かっこいい。
・Beatsが今のまま高価である限りは、いい代替品。
・結局アクティブな人向けのワイヤレスイヤホンってどれが一番いいの? 検証してみた
Image: Gizmodo US
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(abcxyz)