崩れ去る世界を作るのが好き。Philip K. Dickの作品をドラマ化『Philip K. Dick's Electric Dreams』

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崩れ去る世界を作るのが好き。Philip K. Dickの作品をドラマ化『Philip K. Dick's Electric Dreams』
Image: Channel 4 via Gizmodo io9

これまで現実と思っていた世界が崩れ去る…。フィリップ・K・ディックの描く独特な世界が『Philip K. Dick's Electric Dreams』として新たなSFアンソロジードラマとなりました。

フィリップ・K・ディック。SFファンならその名を知らぬ人はいないでしょう。SF小説は読まないという人も、彼の作品を元にした映画『ブレードランナー』、『トータルリコール』、『スクリーマーズ』、『マイノリティ・リポート』、『スキャナー・ダークリー』や、ドラマシリーズ『高い城の男』などを知っている人は多いはず。

io9のJulie Muncyはこちらのように話しています。

How to Build a Universe that Doesn’t Fall Apart Two Days Later」(いかにして作って二日後に崩れ去らないような世界を作るか)というスピーチの中で、ディックは崩れ去る世界を作るのが好きだと語っています。「その小説の中の世界がが引き剥がされるのを見るのが好きなんだ。そしてそのキャラクターたちがその世界とどう向き合うかを見るのが」。

Muncyが語るように、作品中に築かれた世界が崩れていき、小説の登場人物も、そして読者自身も何が現実なのかわからなくなる独特のスタイルが彼の作品の魅力でもあります。

製作総指揮は『ブレイキング・バッド』でおなじみのブライアン・クランストンをはじめ、マイケル・ディナー(『JUSTIFIED 俺の正義』)、ロナルド・D・ムーア(『GALACTICA/ギャラクティカ』)。出演者も個性派揃いで、

・スティーブ・ブシェミ(『コン・エアー』

・アナ・パキン(『X-MEN』)

・ミレイユ・イーノス(『THE KILLING 〜闇に眠る美少女』)

・テレンス・ハワード(『ハッスル&フロウ』)

・ティモシー・スポール(『ラストサムライ』)

・ベネディクト・ウォン(『ドクター・ストレンジ』)

など。また、予告編には登場しないもののジャネール・モネイ(『ドリーム』)も出演します。

フィリップ・K・ディックのファンなら気になるのは一体どんな作品が映像化されるのか。Wikipediaに掲載されているエピソードタイトルのリストからすると(括弧内は筆者の知る限りの日本語訳版の題名)、「The Commuter」(「地図にない町」)、「The Impossible Planet」(「ありえざる星」)、「Crazy Diamond」、「Father Thing」(「父さんもどき」)、「Real Life」、「The Hood Maker」(「フード・メーカー」)、「Kill All Others」、「Autofac」(「自動工場」)、「Safe & Sound」、「Human Is」(「人間らしさ」)、となっています。なかなか印象的な作品が映像化されるようですが、ディックの短編はまだまだあるので人気が出たら次シーズンも制作されたりするかもしれませんね。

『Philip K. Dick's Electric Dreams』はまずイギリスのChannel 4で年内に放送された後、米Amazon Primeと豪Stanで放送されるとのこと。これは日本のAmazonでも放送されることを期待できるかも?

Image: Channel 4 via Gizmodo io9

Reference: deoxy, Wikipedia

Julie Muncy - Gizmodo io9[原文]

(abcxyz)