Apple、新型iPhoneでQualcommモデムチップを採用せず。Intelが契約独占か

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  • author 塚本直樹
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Apple、新型iPhoneでQualcommモデムチップを採用せず。Intelが契約独占か
Image: Poravute Siriphiroon/Shutterstock.com

とうとう仲違い?

iPhoneの内部でLTE通信機能をつかさどる「モデムチップ」は、これまでQualcomm(クアルコム)やIntel(インテル)が部品を供給してきました。iPhone 7以降でIntelのチップが採用されるようになり、Qualcommの単独が終了。そして今年は、その体制が形勢逆転し、Qualcommのモデムチップが0になるかもしれません。

Qualcommが公式発言

QualcommのCFO、George Davis氏は決算報告にて、「Appleは我々の競合相手の部品のみを採用する見込みだ」と発言。新型iPhoneでは、Qualcommのモデムチップが採用されないことを公式に明かしてしまったのです。デイヴィス氏はこの競合他社の名前を明かしませんでしたが、これは誰がどう見てもIntelであることは明らかです。

なんども報じられてきたモデムメーカー問題

実は、Appleの脱Qualcommの動きは以前から報じられていました。その理由は、両社の泥沼の特許紛争。まぁ特許紛争をしながらSamsung(サムスン)に「Aシリーズ」プロセッサの製造を委託していたAppleですが、モデムチップでは別の事情があるのか、我慢ならんとばかりにQualcommを切り捨てたのです。

Intelが次世代のモデムチップを製造中

前回の報道によると、Intelは初めてGSMとCDMA規格に対応した「XMM 7560」モデムチップの製造を開始しているよう。これまでIntelがカバーできなかったCDMAの枠を担っていたQualcommは、居なくても成り立つ状況になっています。

2018年の新型iPhoneで採用されなかったからといって、今後もQualcommのモデムチップがずっと搭載されなくなるかどうかはわかりません。しかしIntelという競合相手がいたからこそ、Appleは大胆な決断を下したようにみえますね。


Image: Poravute Siriphiroon/Shutterstock.com
Source: The Verge

(塚本直樹)