もしもスマートスピーカーを音楽を流すことに主に使用していて、今も比較的安価なスマートスピーカーをお使いの方は、Google Nest Miniはお買い得の商品です。ただし、前機種にあたるHome Miniをすでに持っているなら、わざわざ買い換える必要はなさそう。
Nest Miniは、10月の“Made By Google”イベントで発表されました。以前から噂やリーク情報があった通り、スマートホーム製品やGoogleアシスタント製品がNestブランドに統一されることがこのイベントで確認されました。これはある意味Home MiniとNest Miniの画期的な違いにもなるわけです。
Google Nest Mini
これは何?:Googleアシスタントを搭載したお手頃価格のGoogle製スマートスピーカー
価格:6050円
気に入った:マイクが増えたことにより、音声認識機能が上がった
気になった:改善された低音だけど、少し濁って聞こえる
実際、Home MiniとNest Miniの見た目は区別がつきません。Nest Miniは小さくニュートラルなデザインで、棚やキッチンカウンターに置いたときも自然と溶け込む数少ないスマートホームガジェットの1つです。もしかしたら、少数のユーザーはアップグレードの必要性をもっと感じてるいるかもしれませんが、Nest Miniは少し便利になった機能が追加されたマイナーアップデートです。
過去にHome Miniで見つかったプライバシーに関する深刻な問題で、Home Miniでは上部をタッチしてGoogle アシスタントを呼び出す機能や音楽の再生、停止できる機能は完全に取り除かれていました。ですが、Nest Miniではこれらのタッチ機能が復活しています。しかし、残念ながら使い勝手はそれほど向上していません。正直、私自身もこの機能を自分が使っている想像がつかないほどです。
Nest Mini(左)とHome Mini(右)の比較画像。区別つきます?つかないと思います。
Home Mini同様に、Nest Miniは上部に4つのLEDライトを搭載しています。
Nest Miniはスピーカー上部に4つのLEDライトを搭載していて、ユーザーの声を認識している時などはライトが反応します。また、マイクをオフにするとライトが明るいオレンジ色に切り替わります。他にもインジゲーターで音量を確認したりすることもできます。そして今回Nest Miniでは新たに2つのライトが追加されていて、左右それぞれのスピーカー側面に配置されています。それぞれをタッチすることによりボリューム調整が可能になり、ライトも同時に反応します。また、スピーカーに手を近づけるとライトが光るのでユーザーはどこに音量調整のボタンがあるのか一目で分かります。
Home Miniの充電ポートはmicroUSBでしたが、Nest MiniではGoogle Homeと同じく丸い充電コネクタに変更されています(USB-Cではない)。私にはなぜケーブルを変えたのか分かりませんが、きっとHome Miniより電力を消費するからだと思います。Nest Miniは常に電源ケーブルをコンセントに差し込んでおかないと使用できないので、設置できる場所が限られます。さらにスピーカーの底面にわざわざ穴を開けて壁掛けに対応したのもまた妙な決断です。
オーディオのパフォーマンスに関しては、ほぼ間違いなく最大の特徴です。Googleによると、Nest MiniはHome Miniに比べてベースの音が2倍力強くなって高音質とのこと。さらにNest Miniは、独自のオーディオ調整ソフトウェア及び本体の改善が今回の結果に繋がっているみたいです。
私がNest Miniを試して思ったことは、ローエンドのイコライザーを少し上げすぎているように聞こえました。低音は騒々しい部屋でも音を伝えるために一役買っていました。私がテストした曲では自分好みの音に出会えませんでしたが、正直全体的にバランスが取れているHome Miniの方が好きでした。ですが、もしも音質をメインとして考えるならHome MiniとNest Miniは選ぶべきではありません。
他にも大きな改善点として特徴的だったのが、新たに追加されたマイクです。私は毎朝シャワーを浴びながら大声でHome Miniに向かって曲のスキップや音量調整を叫びます。なぜ大声をあげるかというと、音楽と水の音に自分の声が負けてしまい声を拾ってくれなかったためです。ですが、Nest Miniは音声認識機能が改善されていて大声を張り上げる必要もなくなりました。
Nest Mini本体を分解して分かったことは、機械学習のチップが搭載されており、このおかげでインターネットを経由してGoogle社のクラウドサーバーにデータが送信されることもなく、ローカルで処理できることです。Nest Miniの反応速度に関しては特に改善は感じられませんでしたが、Googleはユーザーがよく使うワードやコマンドをNest Miniが学習することが可能とのことでしたので、これからに期待です。ですが、これが実現するには時間がかかることでしょう...。
もしも、「そもそもスマートスピーカーって一体何ができるの?」と少しでも興味がある方は、Nest Miniはオススメです。スマートアシスタントやスマートホーム機能を試すにもちょうど良く、お手頃価格で手に入るスマートスピーカーの1つです。もしも、Home Miniをすでに持っているけれど工事現場の近くに住んでいる、電車が家の近くで走っている、夕暮れから夜明けまでずっと叫び続ける子供がいる家庭などなど。Nest Miniはマイクが追加され改善によってユーザーの声を拾いやすくなったので、そのような環境にいる方は買い替える価値がありそうです。
それ以外の方は、前機種にあたるHome Miniの割引セールや在庫処分のタイミングを狙うべきだと思います。
まとめ
・前機種のGoogle Home Miniと値段やデザインが同じ。だけど、いくつかの追加機能あり。
・プライバシーに関するバグを除いて、すべてのタッチ機能が復活。
・低音が改善されたとはいえ、本体が大きめなGoogle Homeとかに比べるとがっかり。
・マイクの追加によりユーザーの声を拾いやすくなった。
・充電ポートはmicroUSBから15WのDCジャックに変更。そのためNest Miniを設置する場所が限られそう。