「Galaxy S20シリーズ」ファーストインプレッション:サムスン渾身…はわかるけど、最安でも1000ドルからかー

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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「Galaxy S20シリーズ」ファーストインプレッション:サムスン渾身…はわかるけど、最安でも1000ドルからかー
Image: Gizmodo/YouTube

全部乗せにもほどがある。

去年のSamsung Galaxy S 10(以下S10)は、ディスプレイ内指紋リーダーとかリバースワイヤレス充電、前面の小さなパンチホールカメラといった革新的機能と、ほぼベゼルなしの美ボディを兼ね備えたデザインの勝利でした。でもS10のライバルにはあってS10にはない機能もいくつかあったせいか、今回のGalaxy S 20(以下S20)はいつにもまして最強スペックをこれでもかと盛り込んできた印象です。

S20は3バージョンありますが、すべてにおいてディスプレイの最大リフレッシュレートは120Hzだし、5Gにももちろん対応、そしてSamsungいわくカメラはGalaxy S 7以来最大のアップグレードを施しています。でも残念なのは、その分価格に反映されていて、しかも去年みたいに廉価版もないってことです。そして3つのバージョンの中でも細かいながら重大な違いがあるので、そこはしっかり把握しておきましょう。

Galaxy S 20は一番お手頃な…1000ドル(約11万円)から

スタンダードなS20は1000ドル(約11万円)からで、3バージョンの中で一番マシなお値段です。6.2インチのAMOLEDディスプレイのリフレッシュレートは最大120Hzで、他のバージョンのS20同様、プロセッサはQualcomのSnapdragon 865、RAMは12GB、ストレージはベースが128GB、microSDカードスロット搭載です。ただし大事なのは、スタンダードS20は5G対応といってもサブ6Ghz帯の5Gのみで、これは米国でいうと今のところT-Mobileしか使っていない帯域です(AT&TとVerizonも6GHz帯を追加する計画ですが、まだ使えません)。つまりVerizonなどのキャリアでは、そもそもスタンダードS20の取り扱い自体しない(少なくともローンチ時点では)ということです。

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左から右へ、Galaxy S 20のクラウドピンク、Galaxy S 20+のコズミックブラック、Galaxy S 20 Ultraのコズミックグレー。
Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

S20はバッテリーも4,000mAhと十分で、S10と同様ワイヤレス/リバース充電も可能、ディスプレイ内超音波指紋センサーとステレオスピーカーも入ってます。ただ残念ながら、S10はSamsungのフラッグシップの中では最後のヘッドホンジャック搭載のスマホとなってしまったようです。つまりS20ではワイヤレスヘッドホンにするか、ヘッドホンアダプタを持ち歩くかする必要があります。

あとはSamsungの丸まったスクリーンが好きじゃなかった人へのちょっとしたオマケとして、プレーンなS20のスクリーンはGalaxy S 10+みたいな丸っこいんじゃなく、Galaxy S 10eに近いほぼフラットです。

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さよなら、ヘッドホンジャック。
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Galaxy S 20のカメラモードのサンプル。
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カメラに関しては、S20とGalaxy S 20+(以下S20+)は前面が1000万画素、背面はトリプルカメラとなっていて、1200万画素の広角と1200万画素の超広角、そして6400万画素の望遠カメラという布陣です。望遠カメラがより高解像度なのは、このセンサーとイメージスタッキングやセンサークロッピングといった技を組み合わせることで、S20とS20+ではロスレス3倍ズームが可能であり、デジタルズームも入れれば30倍まで行けるということです。

でももっと大事なのは、S20のカメラセンサーがこれまでより大きくなり、メインの広角カメラでは個々のピクセルがS10の1.4ミクロンに対し1.8ミクロンにまで大きくなったことです。ピクセルが大きいことで、S20のほうがより多くの光を集めることができ、撮れる写真はより明るくシャープになって、とくに暗めの環境では力を発揮することが期待できます。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

さらにこの背面カメラを最大限活用すべく、Samsungはシングルテイクフォトなるものを生み出しました。これはS20の背面カメラを総動員した機能で、動画を最長15秒間撮影すると、自動的にいろんな静止画や動画をいい感じに撮ってくれるというものです。

iPhone 11でFiLMiCのDoubleTakeアプリを使ったときみたいな完全なマルチカメラ状態じゃないですが、シングルテイクフォトはすごく簡単に使えて、ソーシャルメディアでの共有が楽しくなりそうです。またS20では8K動画が24fpsで撮れて、同時に8Kの静止画像も保存できます。

真ん中っ子のGalaxy S 20+

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S20 Ultraがあるので、S20+はGalaxy S 20ファミリーの真ん中っ子になります。
Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

1200ドル(約13万2000円)のS20+は、全体的にはS20と同等スペックですが、AMOLEDディスプレイは6.7インチとなり、5Gはサブ6GHz帯とミリ波帯の両方をサポートしています。なので米国でいうと、S20+はAT&TとVerizonの現行5Gネットワークでも使えます。ちなみにSprintの5Gは2.5GHz帯で、S20はどれもこの帯域をサポートしてないので使えません。

S20+はバッテリーが4,500mAh、内蔵ストレージはオプションで512GBにアップグレード可能、3D TOFセンサー搭載なのでSamsungのAR Doodlesとか計測アプリなどで周りのものをより精度高く認識できます。

S20 Ultraは宇宙を目指す?

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よーく見ると、Galaxy S 20 Ultraの望遠カメラが光を屈折させて内部に取り込む構造が見えます。
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最後に、1400ドル(約15万4000円)のGalaxy S 20 Ultra(以下S20 Ultra)は、まるで他社のフラッグシップスマホを蹴散らそうとするかのようです。S20・S20+同様、S20 Ultraのディスプレイのリフレッシュレートは120Hzですが、サイズが6.9インチと巨大です。バッテリーは5,000mAh、メインの広角カメラは1億800万画素となります。9画素をひとつの巨大な画素に合成し、より高画質を実現できるともうたっています。

ただS20 Ultraのカメラで一番すごいのは100倍ズーム機能、名付けてスペースズームです。4800万画素のセンサーと光学4倍ズームを組み合わせてロスレス10倍ズームを実現し、さらにデジタルズームも追加すれば100倍にまで拡大できるってシロモノです。

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Galaxy S 20 Ultraのカメラアプリには、素早く思い通りにズームするためのボタンがあります。
Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

このズーム機能にはまだハンズオンできてませんが、ロスレス10倍ズームってことはHuawei P30 Proと同等になり(Huaweiのほうが若干パワフルな光学5倍ズームですが)、道路の先の標識だって簡単に見えます。他のスマホでは光学ズームが2倍とか3倍といったところなので、これはかなり強力です。ただS20 Ultraでは潜望鏡みたいに鏡を使って光を曲げることでズームを実現してるので、その分カメラモジュールが分厚くなってます。なのでS20、S20+と比べると、そもそもサイズが6.9インチということもあって、S20 Ultraはかなり重量級な感じです。

RAMが12GB、の理由

ところで、S20シリーズのRAMは12GBもあります。っていうと、「パソコンかよ」「てかパソコンよりでかいメモリって必要?」みたいな声をよく聞くんですが、S20ではこのRAMを活用したAIによるアプリ管理ツールを作っていて、最大5つのゲームをメモリ上に置いておけるようにしています。これによって、アプリやゲームを切り替えるたびにいちいちリロードする必要がなくなり、仕事と遊び、遊びと遊びを素早く切り替えられます。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

また120Hzのリフレッシュレートに関しては、OnePlus 7T・7ProやGoogle Pixel 4が90Hzなので、それよりさらに一歩先へ、という意気込みのようです。ただし実際はやや肩透かしで、S20の120Hzモードは設定がフルHD+になっているときにしか有効になりません。S20の3200 x 1440 WQHD+解像度を有効化すると強制的に60Hzに下げられてしまい、これはバッテリーの消耗を抑えるためだと思われます。

またいつもの通り、こうしたきらびやかな機能のほかに、S20シリーズには240HzのタッチレスポンスやSamsung Quick Share(AppleのAirdropのGalaxy版といったところ)といったいろんな新しい小技があります。複数のGalaxyスマホでひとつのBluetooth接続を共有できるMusic Share機能は、誰かと車に乗ってるときとかBluetoothスピーカーで音楽を聞いてるときにペアリング・ペアリング解除を何回もしなくてもいい、とかです。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

そんなわけでS20ファミリーは、Samsung渾身の一世代となっています。全バージョンで(度合いは多少違うとはいえ)5Gに対応していることで、今後の5Gへの移行がより楽になると思われます。ただ心配なのは、一応「最安」のS20でさえ1,000ドル(約11万円)からってことで、とくに5Gネットワークが到達してない地域の人にとっては厳しいかもしれません。

Galaxy S 20ファミリーは2月21日にプレオーダー開始、発売は3月6日です。色はモデルによって若干違いがありますが全部で4色、クラウドピンク、クラウドブルー、コズミックグレー、コズミックブラックとなります。

Video: Gizmodo/YouTube

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