煙のある方向へ振動で導く、消防士用の触覚フィードバック・ヘルメット

  • author 岡本玄介
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煙のある方向へ振動で導く、消防士用の触覚フィードバック・ヘルメット
Image: Carnegie Mellon University

人命救助に役立つ、実用的な触覚フィードバック・デバイス。

カーネギーメロン大学が、煙が充満した屋内にて進む方向を知らせてくれる消防士用ヘルメットを開発しています。消防士たちは、ロボットやドローンなどの調査機器から得たデータを基にして、ヘルメット内に仕込まれた振動がある方向に従って進むのです。

NEW ATLASいわく、たとえばヘルメット内の左右いずれかの側がブルブルしたらそちらが進む方向となり、後頭部が震えたら止まれの合図になるとのこと。では、実験で消防士がヘルメットを装着し、後ろからサーマルカメラを持った人が追跡する様子をどうぞ。

Video: Yang Cai/YouTube

この動画でヘルメットが振動しているのはわかりませんが、真っ暗で煙がモクモクの中、見を低くして歩く消防士が狭い廊下を難なく進んでいる様子が見て取れます。

火事現場では振動による指示がいいらしい

高周波(RF)の電磁波を使うRFリモコン方式を利用したこのヘルメットは、まだ試作品ですが「ハプティック・ヘルメット」と名付けられました。

カーネギーメロン大学によりますと、煙と騒音は人間の感覚に影響するとのことで、本当に火事が起こっている現場だと、渦中にいる消防士は音声による指示を受け取るのが難しいのだそうです。ですが振動だと直感的ですし、それだけ鎮火や人命救助、または消防士自身の身を護れる可能性が高くなります。

振動機能はヘルメットに内蔵されているため、消防士は余計なデバイスを装着する必要はなく、また機能がシンプルなだけに説明するのに1分で済んだ、というのもメリットのようです。

いろいろ応用できそう

視界が悪い場所にて振動でガイドするのは、以前にお伝えしたスマート白杖「WeWALK」に似たものがあります。センサーや機器類が小型化できるのであれば、もっと応用を利かせたお助けデバイスや、または脱出ゲームで使うアイテムなど、いろんなガジェットに発展できそうですね。

Source: YouTube, Carnegie Mellon University via NEW ATLAS