Galaxy Book Flexレビュー:ココ数年でサムスンが作った中で最高のラップトップ

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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Galaxy Book Flexレビュー:ココ数年でサムスンが作った中で最高のラップトップ
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

TVの美しさを、ノートPCへ。

ここ2、3年、Samsung(サムスン)のパソコン部門はあんまり力が入ってないように見えました。彼らの作るノートPCがダメってわけじゃないんですが、ちょっとよかったのはChromebookくらいで、あとは全然パッとしませんでした。問題はサムスンのノートPCらしい、アイデンティティがなかったことだと思います。

でも2020年、サムスンはノートPCの強化を大きな目標のひとつにしていて、Galaxy Book Flexにはその成果が表れています。彼らは自分の魂を探し求め、シンプルながらも力強い公式を見つけたんです。美しいディスプレイと簡潔なデザイン、安定のスペック、そこに独自のノウハウをプラスすることで、サムスンは過去数年間のベストといえるノートPCを作り出しました。

Samsung Galaxy Book Flex

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

これは何?:美しいQLEDディスプレイ搭載の、2-in-1ウルトラポータブルPC。

価格:13インチモデルが1,350ドル(約14万3000円)、15インチモデルが1,400ドル(約14万8000円)。

好きなところ:バッテリーライフ良好、明るいQLEDディスプレイ、シュッとしたミニマルな2-in-1のデザイン、S Pen内蔵。

好きじゃないところ:タッチパッドでワイヤレス充電できるのはややギミック感、キーの押し込みが微妙に浅い、下側の太いベゼル、ディスプレイに4Kオプションがない、設定の自由度がすごく低い


鮮やかなディスプレイとS Penでサムスンらしさを発揮

13インチと15インチ、それぞれ1,350ドル(約14万3000円)と1,400ドル(約14万8000円)のGalaxy Book Flexは、1,000ドル(約10万6000円)のGalaxy Chromebookよりややプレミアムな兄貴分といったところです。Galaxy Book FlexもGalaxy Chromebookもデザインはスマートなアルミニウムの筐体とシャープでくっきりしたライン、大胆なアルマイト仕上げが特徴で、S Pen内蔵なのも共通してます。大きな違いは、Galaxy Chromebookが赤かグレーだったのに対し、Galaxy Book Flexは魅惑的なブルー、そしてもちろんOSがWindows 10であることです。

とくにOSの違いは大きなポイント。Chrome OSは、学生とかちょっとWebを見るとかなら問題ありませんが、仕事で使う場合ソフトの互換性で厳しいこともあります。Windows 10ってだけじゃなくCPUもCore i7-1065G7だし、さらにベースストレージも倍(Galaxy Chromebookが256GBに対し、Galaxy Book Flexは512GB)なので、Chromebook版より350ドルとか400ドル高くてもそれ以上の価値を感じられるはずです。

さらに大事なのは、サムスンが差別化と称して余計な機能を付け加えるとかじゃなくて、メジャーなTVメーカーでもある強みを生かして世界初のQLEDディスプレイ搭載ノートPCを実現したことです。Galaxy Book Flexの画面は一般的な液晶に比べてすごく鮮やかで、実際にテストしたところピーク輝度が597nitと、たとえば新しいDell XPS 13よりも40%近く高くなりました。

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Galaxy Book Flexの下側のベゼル(この写真だと上側ですが)、もう少し細ければと思います。Dell XPS 13と比べると太さが際立ちます。
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

ただし画面をそこまで明るくするには、Galaxy Book Flexの明るさ設定をアウトドアモード(ファンクションキーで簡単にオンにできます)ってやつにする必要があります。このモードだと色の見え方が微妙に変わりますが、でも屋外で仕事しつつちゃんと画面も見えるんです。自宅にこもらざるをえない昨今の状況を考えると、「屋外で仕事」ってだけでなんかぜいたくな感じがしてきますね。

Galaxy Book FlexにはS Penが付属していて、内蔵するための専用スロットもあります。なので手書きメモやスクリーンショットを素早くとる、Live MessageでGIFを作って送るといった、他のメジャーなノートPCにはできないことが可能です。S Penは細身だったりペン先をカスタマイズできなかったりで、「作品」になるようなものを描くにはSurface Pro 7などのほうが適してますが、でもスタイラス内蔵なのはナイスです。そしてGalaxy Book Flexのヒンジは360度動かせるので、いろんなシチュエーションに適応させられます。

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Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


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Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


Galaxy Book Flexのバッテリーライフは十分以上で、動画再生テストでは11時間8分とDell XPS 13(9時間59分)より1時間以上、ミッドレンジ2-in-1のLenovo Yoga C740より2時間以上も長いという結果になりました。

うれしいオマケ機能、でもややギミック感も

ボーナス的機能もふたつほどあり、ひとつは指紋認証リーダー内蔵でWindows Helloと連動していて、ワンタッチでサインインできること。もうひとつはタッチパッドがワイヤレス充電器になる、つまり外出中にGalaxy Book Flexの上でスマホのバッテリーをチャージできるってことです。Windows 10の通知パネルにあるオプションを選択して、タッチパッドにスマホを載せるだけでOKです。

ただ問題は、タッチパッドを充電器モードにしてる間、タッチパッドはタッチパッドとして機能しなくなる=スマホを載せてるときはもちろん、載せてなくてもタッチパッドとして使えなくなることです。だからPC作業中にスマホの充電が足りないことに気づいたからポンとタッチパッドに置いてそのまま作業を続ける…みたいな使い方はできないんですが、一応そういう便利機能を入れてくれたんだなってことで、よかったとは思います。

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タッチパッドがワイヤレス充電器になるのはクレバーっぽいんですが、その場合タッチパッドとして使えなくなります。まだケーブルも持ち歩いたほうがよさそうですね。
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

地味だけど気になるところ

問題になりそうなところは、実際そんなにありません。キーの押し込みが若干浅めなのが気になる人がいるかもしれませんが、キーが硬め、抵抗強めなのはタイピング疲れ軽減になると思われます。あとはポートが全部USB-C(うちふたつはThunderbolt 3対応)であることも賛否あるかもしれませんが、USB-C to USB-Aの変換アダプタが同梱されてるのはナイスです。microSDカードスロットがありますが、これはスマホみたいにピンを差して開けるスタイルで、頻繁に使う人にはうっとうしいかもしれません。と、細かい問題はいくらかありますが、どれもそんなには気にならなさそうです。

グラフィックスに関しては、Galaxy Book Flexに搭載されてる統合GPUはIris Plusで、動画編集とかゲーム向けではありません。ただ設定を少しいじってもよければ、『オーバーウォッチ』とか『リーグ・オブ・レジェンド』みたいな負荷低めのゲームなら問題なくプレイできます。

でも欲を言えば、Galaxy Book Flex最大の欠点はハードウェア構成の選択肢がないことかもしれません。たしかにCore i7 CPUに8GBのRAM(15インチは12GB)、512GBのストレージという構成そのものは別に問題なく、XPS 13でも同等のスペックにできます。でもXPS 13ならさらに4Kディスプレイ、RAM積み増し、Core i5にダウングレードといった選択肢があるのに対し、Galaxy Book Flexにはそういう柔軟性がありません。

まとめ

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青いアルマイト仕上げのGalaxy Book Flexは、シルバーか黒だらけのノートPCの中で引き立ちます。
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

そんなわけで、気になるところもなくはないですが、全体的にGalaxy Book FlexからはサムスンノートPCの新しい時代を感じます。シンプルにして優れたデザイン、輝くディスプレイ、それにサムスンならではの利便性。構成が限られてるので、XPS 13みたいに万人向けじゃないかもしれませんが、Galaxy Book FlexはちょっとスタイリッシュなノートPCが欲しい人向けの優秀な選択肢となりそうです。

・ワイヤレス充電をしてる間、タッチパッドは使えません。なので結局、ケーブルで充電したほうがよさそうです。

・人それぞれですが、シャープなラインがシャープすぎるという人もいるかも。

・Galaxy Book FlexにはUSB-Aポートがなく、USB-C to USB-A変換アダプタが同梱されてます。

・Windows Helloと連動する指紋リーダー内蔵ですが、赤外線カメラはついてないので顔認証はできません。

・ハードウェア構成のバリエーションは少なく、13インチも15インチも、CPUはCore i7、画面解像度はフルHD、SSDは512GBです。

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