Column

全員で“日本一”をとろう!冷静さと熱い想いを兼ね備えた広陵のマネージャー!

2019.03.21

 現在33人の選手を抱える我孫子野球部。1978年に武藤信二投手(元ロッテ)を擁し、初の甲子園出場。1991年にはベスト16と我孫子市が誇る実力校へ成長した。今回は強豪・我孫子を支える3名のマネージャーにお話を伺った。

たまごかけご飯も?選手に応じた補食づくり


左から横山理乃さん、秋元優花さん、横山未希さん

 お話を聞かせてくれたのは、2年生の秋元優花さん、1年生の横山未希さん、横山理乃さんだ。

 普段はスコアやアイシング、ドリンク作り、環境整備やボール・ネットの修繕からスコアの記録、試合のアナウンスまで多岐に行っている。

 中でも主に夏の期間には炊き出しを行い、選手の好みに応じて卵かけご飯やおにぎりなどを作っている。手間がかかっても、選手が補食をより取りやすいようメニューを変えてあげているというから驚きだ。

 ここだけは他の高校に負けない!と言うのは「とても選手との仲が良い」こと。グラウンドと学校が離れているので移動や登下校もずっと一緒なのだ。
 また「明るく楽しい環境づくり」も自慢のポイント。クリスマスやバレンタインなどの行事を大切に皆で部活を思いっきり楽しんでいる。

 そんな全力で部活を楽しむ彼女たちがやりがいを感じるのは、選手が飲むボトルに補給する水と氷を持って走り回っている時。意外な回答で驚いたが、選手のために奔走する大変さは同時にやりがいなのだと話す。

 またマネージャー活動の中で一番楽しい時間は、試合でチームに流れが来ている時にマネージャー同士で盛り上がる空間だ。

 おすすめのマネージャーグッズは、お腹に貼るカイロ。冬の練習を乗り切る最強アイテムだ。

 心がけているのは、「細かい気遣いを欠かさない」こと。公立では珍しい恵まれた環境で最大限のびのびとプレーできるよう気を配っている。まさに至れり尽くせりだ。

 マネージャーあるあると言えば、入部当初はか弱かったのに、毎日ジャグを運ぶうちに2つ持って移動できるほどにたくましくなること。
 また思わず選手に胸キュンしてしまう仕草は、プレー中の真剣な姿と練習終わりに見せる無邪気な笑顔のギャップ。やはりギャップ萌えにやられる女子は多い!

 夏の大会では、第一試合で勝利した試合が忘れられない。他の部活の先輩や生徒がたくさん応援に来て盛り上げてくれた熱気のすごさが印象深く残っているという。

 引退した3年生は「メリハリがしっかりとあり、きちんと間違ったことは叱って正してくれた」と語る彼女たち。

 日々練習に励むチームの選手に一言お願いすると、「いつも自分たちで考えて練習する姿は本当にかっこよくて、たくましいです。自分と仲間を信じて頑張ろう!一番近くで見ているマネージャーがみんなの可能性を保証します!!」と激励してくれた。

[page_break: 花より「花を咲かせる」存在に!]

花より「花を咲かせる」存在に!


笑顔でピースをしてくれた横山理乃さん(左)、秋元優花さん(中)、横山未希さん(右)

 マネージャーを代表して2年の秋元さんにお話を伺った。

 中学時代は吹奏楽部だった彼女がマネージャーを志した理由は、「希望者が見つからずマネージャーを探していた同学年の部員に誘われ見学した際、部員の熱意に引き込まれた」から。

 選手に心動かされ入部を決断した彼女。人をサポートする活動の中で、「今まで周りに人にどれだけ支えられてきたか改めて実感した」「人への感謝を行動で返せるように心がけるようになった」と振り返ってくれた。

 頑張る元気をもらえる瞬間は、どんな些細なことでも「ありがとう」と言ってくれたり、何気なく「美味しかった」という言葉が聞けたりする時。何よりも「皆の笑顔」が原動力となっているのだと話す。

 素直で熱心な彼女だが、マネージャーとして悩んだ経験がある。
 「自分の存在が本当に役に立っているのか自信が持てず、自分はサポートする立場は向いてないのではないかと挫折しかけた」と語ってくれた。

 そんな時マネージャーの先輩からもらった「花よりも花を咲かせる存在になれ」という言葉が強く心に残っている。「選手だけ頑張れば良いのではない」と改めて諭された瞬間だった。

 責任感が強いからこそ思い悩むこともあったが、選手に喜んでもらえる瞬間があるからやっていける。
 選手に初めてお守りを渡したとき、選手が「アマゾンで買ったやつだろ!」と言うくらい驚いてくれた時はかなり嬉しかったと話す。裁縫が得意な秋元さんは、バッティングやグローブ、ユニホームを縫うこともあるというから驚き。

 まさに完璧女子の彼女だが、マネージャーをしていなかったら「親など周りの人に感謝を伝えられないままだった」「今より内気な性格だったと思う」と話してくれた。

 マネージャーを一言で表すと、「誰がやると決まってはいなくても、誰かがやらないと成り立たない仕事を自ら率先して行い、広い視野を持って選手とは違う目線でチームを支える存在」だ。小さな気づきの積み重ねが、チームを支える大きな土台になる。

 選手も「マネージャーがいないと練習の進みも悪くなり、家族のようにいつも近くにいてくれて、勝つためには絶対に必要な存在です」と断言してくれた。

 選手とマネージャーは、どちらもなくてはならない存在。お互いに尊敬しあい、これからも楽しい部活ライフを駆け抜けてほしい!

取材後記
写真を撮影する際も、笑顔が耐えない撮影になりました。この笑顔もチームに欠かせない1ピースだと思います。

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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