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2020年05月21日
編集部

コロナに消えた夏の甲子園、竹原から夢舞台目指す3年生部員が迫田穆成監督に残した言葉…川風の街、七色の光#45

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迫田穆成
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    ダグ

  • レッドヘルメット

画像は竹原高校ナインから迫田穆成監督に送られてきたLINEの一部

 

夏の甲子園も、地方大会も新型コロナウイルス感染拡大のため中止になりました。

連続出場や大会連覇…そうした言葉とは無縁の夏がやってきます。

でも…

高3の夏は、それまで仲間たちと夢舞台を目指して積み重ねてきた日々の集大成。

そこで何を残すことができるか?

全国の球児たちの共通の、重い、大切なテーマです。

瀬戸内海沿いにある安芸の小京都とも呼ばれる竹原市。如水館高校を8度も甲子園に導いた迫田穆成監督が竹原高校のグラウンドに立ったのは昨年6月のことでした。部員わずか11名。

名将の下で、以来8戦5勝。昨秋の1年生大会では8回コールド勝ちを収めました。コールド負けに慣れていた選手たち、監督に言われるまでコールド勝ちに気づいていませんでした。

人口減少に高齢化、およそ2万6000人が暮らす竹原市もそうです。

迫田さんは、町の人たちと一緒になって野球部を活力の源にしようとチーム強化を進めてきました。その最初の”発表会”となるはずだった夏の広島大会も中止…

迫田さんは2月から始めたLINEを使って11名の選手と4名のマネージャーにそのことを知らせました。

夏の大会中止しました。
今一番考えないといけないことは(中略)次の目標を自分で見つけて、迷うことなく野球人生を楽しく…

すぐに3年生6名から返信がありました。

そこには感謝の言葉とともに、迫田さんや町の人たちや父兄の心に響く文章がたくさん綴られていました。

大切なこと、自分自身を見つめ直したこと、野球部で経験して成長できたこと、そして夢を抱き仲間たちと一緒に白球を追いかけてきた日々の財産…

迫田さんは部員とのやりとりを見つめながら、こう話しました。

ひとつになれ、といってもどうしていいかわからなかったこどもたちが、ここまでいい文章を書けるようになりました。大学生では難しいでしょうけど、高校生はすごく成長します。コロナでこういう状況になりましたが私にはマイナス思考がありません。これをまた乗り越えればいいことがあると野球の神様が言っています。それは部員にも伝えました。中止になっても、すぐに次の目標を持つように、と。

3年生の中には昨年9月から参加した子もいます。6人ともずいぶん成長しました。進学するにしても就職するにしても、自分の一番得意種目である野球を続けていって欲しいし、周りもそれを支えて欲しい。

竹原高校の1年生は3クラスが2クラスになり、男子は20人ほどしかいません。でも5人が入部してくれました。しかもマイバット持参が3名。そのうち2名はこの春から保護者会長さんに提供していただいた寮に入っています。

よくしていただいている町のみなさんとともに野球部をこれからも育てていきたい。ですから今のように練習ができないことが一番辛いですね。

 

迫田さんが町を歩いていると車で通りがかった人も頭を下げて行きます。学校行事が込み合う秋には、野球部の活動との調整が難しくなり”監督辞任か?”のひと騒動もありましたが、保護者のみなさんが学校側に掛け合いました。

迫田さんは1年も経たないうちに竹原の町に新たな種を撒き、青竹のような真っすぐ伸びる芽が出ました。

迫田さんは「75年は草木も生えぬ」と言われた広島で、野球にずっと打ち込んできました。この夏、広島は75回目の原爆の日を迎えます。

スポーツでもっと幸せな広島へ

竹原ナインの”マイバット”が夏空に金属音を響かせるその時に、迫田さんは選手たちにどんな言葉をかけるでしょうか?

川風の街、七色の光取材班

迫田穆成 竹原
竹原市中心部

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