今庄宿の古民家を改修した宿泊施設「地域まるっと体感宿 玉村屋」の開業1周年を祝うイベントが2月8日、福井県南越前町今庄の同施設で行われた。県内外から玉村屋に集う人たちによるトーク会やマルシェが開かれ、歴史豊かなまちに生まれた小さな宿で交流の輪を広げていた。
施設は昨年2月にオープン。県の「ふくいの伝統的民家」に認定された築約90年の古民家の譲渡を受け、同町が県事業を活用して改修した。地域おこし協力隊として同町に移住した男性と、切り花農家の男性が一般社団法人を立ち上げ運営。地域の産業や人情に触れられる体験プログラムも展開し、ファンを増やしている。
「1周年は支えてくれた町民と協力者のおかげ」と移住した男性。宿に集う人たちの魅力を伝えようとイベント内容を企画した。トーク会はこたつを囲んだアットホームな雰囲気の中で行われ、伝統産業の職人や地域医療を支える若手医師らと参加者が語り合った。県内外から9店舗が集まったマルシェには自家製の酢やジャム、着物をリメイクした小物などが並んだ。
2年目に当たり、移住した男性は「地域の人たちから寄せられるようになった提案を生かした取り組みをやっていきたい。特別な観光地じゃなくても、地域のありのままのものがコンテンツになることを発信していく」と抱負を語った。