教員志願最低 2.71倍 25年度 茨城県教委 東京会場で大幅減

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県教育委員会は2日、2025年度採用の同県公立学校教員選考試験の志願状況を発表し、小中高校と特別支援学校の「教諭合計」の志願倍率が前年度比0.71ポイント減の2.71倍で過去最低を更新した。志願者数は同627人減の2516人。養護、栄養教諭を合わせた全体の志願倍率は同0.76ポイント減の3.02倍で過去3番目に低い水準だった。

校種別の志願倍率は、高校が同1.24ポイント減の4.69倍と最も高く、特別支援学校が同0.50ポイント減の1.76倍と最も低かった。小学校は同0.29ポイント減の1.93倍、中学校は同1.13ポイント減の3.29倍と、いずれの校種でも低下した。養護教諭は同6.67ポイント減の10.85倍。栄養教諭は同2.83ポイント増の18.50倍と唯一上昇した。

教科・科目別で見ると、中学校は保健体育が11.86倍、社会が6.03倍と高い一方、1.12倍の美術をはじめ、国語、理科、音楽、技術が1倍台と低かった。高校は保健体育が20.67倍、日本史が15.33倍と高い半面、技術は志願者0人(採用予定2人程度)、地学は志願者1人(同1人程度)だった。

同県教育改革課によると、倍率の低下や志願者数の減少にはさまざまな要因があるとした上で、理由の一つに東京会場での志願者数の大幅減少を挙げた。東京会場での志願者数は同466人減の655人。教職員の志願者減少対策や優秀な人材確保を目的に、県教委は昨年、大学3年生を対象に1次試験の一部を受験できるよう変更。昨年12月に初めて前倒し選考試験を実施した。一方、東京都などでも同様の前倒し選考が行われたことで、同課は同会場の志願者数減少に影響したとみている。同課の担当者は「他自治体の動向を踏まえながら情報を収集し対策をしていく」とした。

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