「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由水曜インタビュー劇場(交流公演)(1/5 ページ)

» 2018年05月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 カプセルホテルといえば、どんなイメージが浮かぶだろうか。「居酒屋で飲んでいたサラリーマンが、終電を逃したので泊まっている」「ハチの巣で幼虫になったような気分で泊まるところ」といった人も多いのでは。そんな常識を覆すようなカプセルホテルが登場している。

 東京・渋谷駅から徒歩5〜6分ほど歩くと、「The Millennials Shibuya」(運営:グローバルエージェンツ)と書かれた建物にたどり着く。10階建てビルの3階以上をリノベーションして、5〜10階に全120室を構えている。3階にはコワーキングスペースがあって、4階にはフロントとキッチン付きのラウンジを設けている。ホテル面積の20%が共用部なので、「ははーん、分かったぞ。ビジネスホテルとカプセルホテルの“間”のようなところでしょ」と思われたかもしれないが、半分正解といったところ。

 客室フロアに足を踏み入れると、グレーを基調にした落ちついた雰囲気が漂っていて、独自に開発した宿泊スペース「スマートポッド」を導入している。詳細は後ほどご紹介するが、カプセルホテルというよりはビジネスホテルからバスとトイレを取り除いた感じである。それだけではない。ザ・ミレニアルズの特徴のひとつに、「男女混合フロア」があることだ。

 部屋にはカギが付いていない。隣からイビキが聞こえてくるかもしれない。そんな環境のなかで、オジさんと同じフロアで寝るなんて、想像しただけで気持ち悪い――。女性からそんな声が聞こえてきそうなので、「稼働率は大丈夫なのか」と心配になったが、杞憂(きゆう)であった。3月15日に開業したところ、あっという間に人気が出て、稼働率は90%ほどだという。

 客室単価は6000円ほど。カプセルホテルとしては、やや高めの設定にもかかわらず、なぜ注目を浴びているのか。グローバルエージェンツでホテル運営に携わっている吉田主恵さんと、フロント業務などに携わるメイヒュー・グレイスさんに話を聞いた。

3月にオープンした「The Millennials Shibuya」。外国人観光客の人気が高く、稼働率は90%ほど
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