スーツに見える作業着は、なぜ3倍ペースで売れているのか水曜インタビュー劇場(水道工事公演)(1/5 ページ)

» 2020年11月18日 08時05分 公開
[土肥義則ITmedia]

 11月某日、記者はとある会社の社長を取材したところ、その人はスーツのような作業着をまとっていたのである。「スーツのような作業着? なんだそれ?」と感じた人もいると思うので、簡単にご説明しよう。

 商品名は「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」。水道工事などを手掛けるオアシスライフスタイルグループの「オアシススタイルウェア」(東京都港区)が2018年3月に発売したところ、売れに売れているのだ。

スーツに見える作業着「オアシススタイルウェア」が売れている

 発売1カ月で、当初目標の5倍を売り上げる。SNS上で「スーツに見せる必要があるのか」「絶妙にダサい」といった批判の声も多かったが、勢いは衰えず。1年目の売り上げは1億円、2年目は3億円。「ま、まさか、3年目の今年も3倍の9億円じゃないよね?」と気になって、担当者に聞いたところ「いえいえ、10億円を見込んでいるんですよ」とのこと。

 これまでECサイトを中心に販売してきたが、今年9月、東京の八重洲地下街で初めてリアル店舗を構えた。新型コロナの感染拡大を受けて、多くのアパレルが苦戦している。「このご時世なので、さすがに厳しいでしょ」と思っていたら、想定の2倍ほど売れているという。

東京の八重洲地下街にリアル店舗を構える

 さて、ここまで書いていて、気になったことが一つ。「アパレルでない会社が変わった服をつくって売れた!」となれば、同じような商品が出てくるのではないか。ちょっと調べたところ、紳士服や作業着のメーカーなどから、よく似た商品が登場しているのだ。にもかかわらず、なぜワークウェアスーツは売れているのか。オアシスライフスタイルグループの関谷有三CEOに、その秘密を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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