菅政権の目玉の一つになった、2050年のカーボンニュートラルに向けた自動車の電動化規制により、自動車業界を取り巻く日本の報道機関は蜂の巣を突いたような騒ぎになっている。しかし、どうも視点がズレているような印象を受ける。
純エンジン車の販売を30年代半ばに禁止するという規制は、あくまで日本市場での販売規制であって、輸出にはまったく影響しない。また電力インフラが整備しきれていない新興国にはBEV(バッテリーEV。いわゆる電気自動車)は向いておらず、ハイブリッド車もその複雑さゆえにコスト高で販売のボリュームを望めない。そのため相当の間、純ガソリン車やマイルドハイブリッドを主力にせざるを得ない地域が存在し続けるはずなのだ。
菅政権による自動車の電動化規制のほか、世界中に広がるカーボンニュートラルによる規制により、自動車業界の主役は、完成車メーカーからサプライヤーへシフトすると考えられる
- 果たして自動運転レベル3は、ドライバーにとって優しいのか?
人間不要の自動運転はレベル4、レベル5と呼ばれる。しかし、現状は機械とドライバーのハイブリッドであるレベル2とレベル3が射程に入ってきたところだ。しかし、このレベル3はさまざまな問題を抱えている。そのため、実用化についてもメーカーによって方針は大きく異る。
- 「技術の日産」の魂は、死んでいない アライアンスの行方は?
日産自動車経営陣の新体制が固まった。3頭体制への期待は高いが、その周囲の役員の間にはさまざまな思惑がうごめいているという情報もある。日本とフランスの国策企業というプライドが、足を引っ張りあっていくなら、良いクルマやサービスも生まれない。
- 新燃費規程 WLTCがドライバビリティを左右する
ここ最近よく聞かれるのが、「最近の新型車ってどうしてアイドルストップ機構が付いてないの?」という質問だ。全部が全部装備しなくなったわけではないが、一時のように当たり前に装備している状況でなくなったのは確かだ。それに対してはこう答えている。「燃費の基準になる測定方法が変わったから」。
- 自動車メーカーを震撼させる環境規制の激変
「最近のクルマは燃費ばかり気にしてつまらなくなった」と嘆いても仕方ない。自動車メーカーが燃費を気にするのは、売れる売れないという目先のカネ勘定ではなくて、燃費基準に達しないと罰金で制裁されるからだ。昨今の環境規制状況と、それが転換点にあることを解説する。各メーカーはそのための戦略を練ってきたが、ここにきて4つの番狂わせがあった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.