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.政治  投稿日:2020/8/15

「国民の納得と共感が重要」 衆議院議員石破茂氏


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年7月25日放送

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・コロナ対策では一定の私権の制限が必要。

・安倍政権は、ボトムアップのシステムが傷んでいる。

・次の政権は国民の「納得と共感」が重要になる。

 

今週は、衆議院議員の石破茂を迎えて、政治ジャーナリストの細川珠生が、安倍政権のコロナ対策などについて話を聞いた。

まず石破氏は、「安全保障において、日ごろ準備していること以上のことはできない」と述べ、政府の感染症対策が不十分だとしてもそれは普段の準備が不足していたからだとの考えを示した。

また、「(過去)SARSや新型インフルエンザは乗り切ってしまった」と述べ、過去の感染症拡大がことのほか軽微だったことが現在のコロナ対策の不備に少なからず影響しているとの考えを示した。

その上で石破氏は、新型インフルエンザ流行時に閣議決定した「緻密な計画書」があることを明かした。

「そのまま法律にしても良かったが、立派な計画書を作っただけで『できた』と思ってしまった部分がある」と石破氏は述べ、当時、新型ウイルスに対応するための法律を作っておけば良かったとの考えを示した。

「危機管理は保険と一緒で、『活用されなくて良かった』というもの。パンデミックしかり災害しかり、あえて言ってしまえば有事、戦争もそう。準備してないとこんなことが起こるということが今回よくわかった」石破氏はそう述べ、平時の危機管理のあり方について、現政権に注文を付けた。

また石破氏は、政府のコロナ対策が全て「お願いベース」であることも問題視した。

今回政府が発布した「緊急事態宣言」は、自衛官や警官が監視するものではなく、都道府県知事が不要不急の外出をやめるよう呼びかけたり、集会施設の制限をしたり、施設や土地を医療用に使ったり、物資の統制を行ったりすることを「お願い」する権限を、法律で与えるで、補償を伴わない。

石破氏は、「(コロナ対策として)国が土地を収用した場合、正当な補償をしなければならない」と述べ、今回の新型インフル特措法に私権の制限が入っていないことを批判した。

次に細川氏は、アベノマスク、補助金給付の遅れなど、国民に不評な政策が頻発していることに関連し、安倍政権の問題点を問うた。

石破氏は、「ボトムアップのシステムがかなり傷んでいる」ことが問題だと述べた。

「都道府県、市区町村で人々が何を考えているか、霞が関(政府)から遠い。首相官邸はさらに遠い。かつてであれば、国民の感覚が下から上がってくるシステムが機能していた」石破氏はこう述べ、官邸主導の政治を批判した。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

次に細川氏は、「(低所得者層への)30万円の給付を閣議決定していたにもかかわらず、国民全員に10万円給付することに変えたり、アベノマスクに460億円という多額の出費を決めたりしたことは問題がある。国民の意見を聞きながらトップが決めることが重要なのではないか」と指摘した。

石破氏は、「この政策を打ったときに、国民の人たちがどう思うかという想像力や認識共有能力がずれていたかもしれない」と述べた。

それに対し細川氏が、長期政権ということに問題があるのかと問うと、「それはあまり関係ない」と石破氏は述べ、中曽根政権や小泉政権の例を挙げて、長期政権であることが必ずしも国民の意見を反映しにくくなるとは言えない、との考えを示した。

また石破氏は、安倍首相が第一次政権の際に不本意ながら政権の座を降りたことに触れ、「その時の学習効果で、トップダウンで物事を決めなければだめだ、信賞必罰をはっきりさせないとだめだ、ということになった」と述べた。

次に石破氏は、 「あと80年で人口は半分になり、あと20年で高齢者の人口はピークになる。その中でどうやってこの国を持たせるのか」と述べると共に、今のエネルギー自給率は戦前よりも低いと指摘し、「このままいったら日本はどうなるのかと国民は感じ始めている。政治が今こそ語らなくてはならない。誰が総理大臣であっても、政府がやろうとしていることが国民の心に響かないと何も始まらない」と述べた。

細川氏は、幅広い国民の意見を聞きながら一緒に考え、そこから得られるものを実行していく石破氏の政治スタイルが今必要だとの考えを示した。

最後に石破氏は「納得と共感」が重要だとし、「若いころ、竹下元総理から『納得はしてもらえ』と叩きこまれてた」と述べると共に、「分断の政治はやめていかなくてはならない。誰がいつ次の政権を担うとしても、最重要の課題だ」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年7月25日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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