2019年6月27日、G20首脳会談に先立ち、オーストラリアのスコット・モリソン首相と二国間会談を行う安倍晋三首相(写真:AAP Image/アフロ)

 今日から大阪でG20の首脳会合が開かれます。ホスト国である日本にとっては、このサミットでどのような成果を出せるのか、その力量が問われることになります。

20カ国の意見集約は難儀

 G20サミットは2008年から始まりました。それ以前のG20は、1999年から始まった財務大臣・中央銀行総裁会議がメインの国際会議という位置づけで、各国の大統領や首相という首脳同士の会談はもっぱらG7サミット(1998~2013年まではロシアを加えG8)で行われていました。ところが、新興国が経済的に力をつける中、2008年にリーマンショックがあったため、「経済について首脳同士も話し合わなければ」ということでG20サミットがスタートしたわけです。

 2008年、私は経産省の役人でしたが、霞が関では当時はまだG20よりもG7の方を重視する空気がありました。G20の国内取りまとめは財務省で、G7は外務省でしたが、「G7で決められたように世界は動く」という時代だったのです。

 ところが現在では、その年のG7の開催地を尋ねられて答えられる人の方が少ないのではないでしょうか。それくらいG7の存在感が薄まり、逆にG20のプレゼンスが大きくなりました。もちろんそれは、中国を筆頭とする新興国が大国化し、政治・外交マターも含めこれらの国々が参加していないところで議論してもしょうがない、という状況になったからです。

 ただ、中国などを加えたG20で首脳が話し合えばそれで世界の諸問題にうまく対応できていくかと言えば、必ずしもそうではありません。当たり前ですが、7カ国だけでも何かを決定するのは大変なのに、これが20カ国となると意見を集約するのは非常に困難になります。