ディスプレーについたLGのロゴマーク

 2020年11月26日、韓国のLGグループの持ち株会社にあたる「LG」は理事会(取締役会に相当)でグループ企業5社を分離することを決めた。

 上場企業も含む企業をLGグループから独立させる理由は、家族内の資産配分だ。

 LGは、傘下にある企業のうち、商社、エネルギー開発などを手がけるLG商事、建築資材などを生産販売するLGハウシス、ディスプレー用半導体を設計するシリコンワークス、アクリル樹脂原料を生産するLG MMA、そしてLG商事の物流子会社であるパントスの5社をグループから分離することを決めた。

5社を分離、新グループに

 この5社は、新しい企業グループを形成することになる。

 いったいどういうことなのか?

 簡単に言えば、家族内の資産配分ということだ。

 LGグループは、長年、「具家」と「許家」の2つのファミリーが協力して事業を拡大させてきた。

 家電、歯磨き粉など家庭用品から、電子、通信、化学へとどんどん事業領域を広げて韓国を代表する財閥にのし上がった。

 成長しても家族内で紛争が起きなかったのは、継承と資産分割ルールがはっきりしていたからだ。

 総帥には、具家の長男がつく。代替わりしたら、経営に携わっていた他の家族には事業を分離して与える。グループからは離れて、経営とは無関係になるということを繰り返してきた。