アウディ「我々がDTMに止めを刺したわけではない」と批判に反論
アウディのモータースポーツ責任者であるディーター・ガスは、撤退を決めたことでアウディがDTMに”とどめを刺した”と言われるのは、かなり不公平だと考えている。
写真:: Audi Communications Motorsport
アウディは先月、2020年限りでDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)から撤退することを発表した。アウディは2000年からDTMに復帰。その歴史は、20年を超えたところでピリオドが打たれることになった。
このニュースにより、一部のファンは公にアウディを非難。彼らはアウディの決定が、DTMの未来に影を落とすことになったと考えているのだ。
しかしアウディのモータースポーツ責任者であるディーター・ガスは、この主張に反論。メルセデスやアストンマーチンの撤退の方が、DTMの健全性を悪化させる原因だったはずだと主張する。
「もちろん、私は全く異なる視点で見ている」
ガスは雑誌のインタビューにそう語った。
「全体像を見る必要がある」
「メルセデスが撤退した後、DTMにはふたつのメーカーしかなかった。実際、2メーカーだけではDTMが機能しないのは明らかだった」
「その後、アストンマーチンが参入した。これがどれほど成功し、そして彼らがシリーズを去ることによってDTMの将来を決定付けることになったのか、それを議論することができるはずだ」
「アウディは、ここ数年最もDTMを支えたブランドだと思う。我々は最初にカスタマーチームであるWRTを立ち上げた。そして2020年には9台目のマシンを用意し、グリッドを埋めることに尽力した唯一のブランドだ」
「我々が、DTMの将来を決定付けた存在であると非難するのは、かなり不公平だと思う。アウディがいなかったら、DTMはもっと早い段階で終わっていただろう」
DTMは2019年からClass1規定を採用し、スーパーGTと規則を統一させた。本来ならばこのClass1レギュレーションは、2017年までにまとめることが目指されていた。しかしメルセデスがコストを理由に、レギュレーションの変更に応じなかったという。そしてメルセデスが撤退した後、レギュレーション統一への動きが加速することになった。
メルセデスがスーパーGTスタイルのエンジン(2リッター4気筒、ターボエンジン)導入を拒否しなければ、アウディのDTM参戦期間がもっと伸びたと思うかと尋ねられたガスは、「これは架空の話だが」と前置きして次のように語った。
「もし4気筒ターボエンジンがもっと早く導入され、メルセデスがさらに2年間参戦していたならば、日本のシリーズとの関係性がもっと良いレベルに到達するために、さらに多くの時間を手にすることができただろう」
「そのことが、我々がDTMに残る可能性を改善したと思う」
アッセンのレースプロモーターであるリー・ヴァン・ダムは先月、シリーズ主催者のITRから、アウディが引き続きプライベーターチームにエンジンを供給し続け、Class1規定を続けていけるようにする予定だと聞かされたと明かした。しかしガスは、アウディとチームの間で、来年以降のエンジン供給に関する議論は、行なわれていないと主張する。
「この問題が公に議論されているのを見た」
そうガスは語る。
「今のところ、それを求められているということはない。そのため、それに向けて何かが進んでいるということはない」
「WRTとの経験からすれば、多くの人が本当にエンジンを購入したいと思っているのかどうか分からない。これまでのところ、それについてのリクエストはないし、現時点ではその計画はない」
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