神奈川県、犬猫殺処分ゼロ継続 23年度、保護猫の多くは「多頭飼育崩壊」 キャパオーバーで「再開検討を」の声も

県動物愛護センタで保護されている猫=4月12日、平塚市土屋

 神奈川県動物愛護センター(平塚市土屋)に保護された犬と猫を巡り、殺処分ゼロが続いている。県は2023年度もゼロだったと発表。犬は11年、猫は10年連続となった。ただ、同年度中に保護された猫の多くは、数が増え過ぎて世話ができなくなる「多頭飼育崩壊」によるもの。同センターの関係者からは「センターは常にキャパ(収容規模)オーバーの状態。災害発生など有事になればこれ以上動物を受け入れられない。殺処分の再開を検討すべきだ」と懸念する声も上がっている。

 県生活衛生課によると、23年度に保護した犬は前年度比64頭減の187頭、猫は同54頭減の400頭。ともに減少したが、同課は「多頭飼育崩壊の有無によって収容頭数が大きく変動するので、一概に減少傾向とはいえない」と説明する。

 保護の主な理由は、「飼えなくなった」が犬32頭、猫157頭、「所有者不明」は犬119頭、猫75頭だった。「飼えなくなった」として保護された猫157頭のうち、96頭が多頭飼育崩壊が原因。猫やウサギの多頭飼育崩壊が増えており、大量に保護した場合には県が22年に新設した臨時収容施設を活用することで対処しているという。

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