北鎌倉の地ビール人気 涌き水活用、環境保護に寄付も

 北鎌倉の湧き水を使い、緑地保全や市民のまちづくり活動を後押ししている地ビールがある。「北鎌倉の恵み」は17年前に市民団体が中心となって誕生したが、一時休止。熱烈なファンのサポートで4年前に復活し、緑豊かな鎌倉の逸品として愛され続けている。

 「北鎌倉の恵み」は、北鎌倉・六国見山の里山保全に取り組む市民団体「北鎌倉湧水ネットワーク」(野口稔代表)と、厚木市の地ビールメーカー「サンクトガーレン」(岩本伸久社長)が協働で手掛けている。六国見山の湧き水は硬水で、軟水を使うより重厚で複雑な味わいになる。「コクがある」「味が濃い」と好評という。

 同ネットワークによると、北鎌倉駅や大船駅周辺のエリアには自噴井戸が200カ所ほどある。六国見山の森が育んだ井戸水をまちづくりに生かそうと考えたのが地ビール誕生のきっかけだ。

 同ネットワークは2000年から別のビール製造会社と「初代」を製造販売していたが、11年に休止。野口代表らは販売再開を望むファンから紹介を受け、サンクトガーレンを知った。「地ビールで地域活性化という理念に深く共感した。せっかくの湧き水を守る活動に貢献したい」と岩本社長が協力を快諾し、13年9月に“再出発”した。

 売り上げの3%を、緑地保全やナショナル・トラスト運動団体、市民活動団体を支援するファンドに寄付。初代は100万円超、2代目もこれまでに約30万円以上が各活動の一助になっている。さらに10万円を寄付するめども立ったという。野口代表は「まちづくりや自然環境保護の活動をもっと広げていきたい」と話している。

 1本330ミリリットル、400円(税抜き)。スリーエフ北鎌倉店などで購入できる。問い合わせは、サンクトガーレン電話046(224)2317。

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