性的少数者に理解を 里親向け講座開催

 里親を対象に性的少数者に関する基礎知識を学ぶ講座が22日、横須賀市小川町の子育て支援施設「はぐくみかん」で開かれた。NPO法人「SHIP」(横浜市神奈川区)の星野慎二代表が講師となり、市内の里親ら約10人が参加した。

 市はこれまでも市職員らに対して、同性愛や性同一性障害など性的少数者への理解を深める取り組みを実施。子どもの養育に関わる人に広く知ってもらおうと、2017年度からは児童養護施設や里親向けの講座を初めて開催している。

 星野代表は、差別や偏見によって不登校や自殺未遂につながってしまったり、周囲に理解者がいないためインターネットを通して望まない性交渉をしてしまったりするケースを指摘。

 性別に対する違和感を軽くするために学校の制服や使用するトイレを配慮する必要性や、セクシュアリティーを決めつけずに時間をかけて話を聞く大切さを訴え、「自分らしく持った能力が生かせる環境をつくることが大事」と呼び掛けた。

 参加した女性(40)は「里親以前に母として役立つ話。日ごろから里子、実子の線がなくなってほしいと思っているので、同じように男性、女性にとらわれる線もなくなればいいと思った」と話していた。

 

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