類似構造の塀、葉山にも 大阪北部地震で9歳犠牲

 大阪府北部で震度6弱を観測した地震で、倒れたブロック塀の下敷きになり2人が死亡したことを受け、神奈川県内の自治体がブロック塀の点検を始めた。葉山町内の中学校では、小学4年の女児(9)が犠牲になった高槻市立小学校のプールと似た構造のブロック塀が見つかり、早急に修繕する方針。各自治体は通学路や学校敷地内、公共建築物を対象に安全確認を進めており、被害が生じる恐れがある場合は適切に対応する。

 町教育委員会によると、町立南郷中学校(同町長柄)で見つかった。プール周辺に設置され、高さ約2・4メートル、幅約26メートル。高さ約60センチのコンクリートの基礎の上に、約1・8メートルのブロック塀が積まれている。

 同校からの連絡を受け、町教委職員が19日午前に目視で点検。高槻市の構造と似ており、建築基準法施行令で定められた高さ2・2メートルを超えていることから念のため、コーンやテープなどで周辺の立ち入り禁止措置を講じるよう指示した。

 基礎部分の設置時期について、町教委は「現段階では不明」と説明。上に積んだブロック塀については「(以前に設置されていた)フェンスが壊れ、プライバシー保護の観点で学校と話し合い、積んだと思われる」と推測する。

 横須賀市は同日朝、市立小学校から半径500メートル以内の通学路にあるブロック塀の点検を始めた。職員がメジャーなどで高さや厚さを測り、建築基準法に合致しているか確認。市は20日までに全小学校46校の周辺での点検を終えるほか、市の公共施設に危険なブロック塀がないかも確認する。

 横浜市は保有する公共建築物の敷地内を対象に、高さ1・2メートルを超える塀や門柱の有無や劣化の状況を調査するよう、各区局に依頼した。

 相模原市は全市立小学校72校に対し、通学路の安全を確認するよう通知を出した。具体的には、PTAや地域住民と協力し、高さ1メートル以上のブロック塀などの構造物を全てリストアップするよう求めている。市教委は「人命に関わるもの。なるべく早く実態を把握したい」としている。

葉山町役場

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