星槎国際湘南、「本田超え」初8強導く 高校野球南神奈川大会4回戦

 第100回全国高校野球選手権神奈川大会第10日は21日、サーティーフォー保土ケ谷球場など4会場で南神奈川の4回戦8試合を行い、第1シードの横浜や金沢、鎌倉学園などが勝利し、8強が決まった。

 横浜は万波中正(3年)の投打にわたる活躍などで藤沢清流を七回コールドで退け、鎌倉学園も茅ケ崎をコールドで下した。金沢も横浜桜陽に快勝し、公立で唯一ベスト8に残った。藤嶺藤沢は第1シードの湘南学院を破った。実力校同士の対戦となった横浜商-星槎国際湘南は、星槎に軍配が上がった。

 第11日は22日、同球場など4会場で北神奈川の4回戦8試合を行う。

▽4回戦(サーティーフォー保土ケ谷)

横浜商

000 000 000|0

000 001 01X|2

星槎国際湘南

 【評】星槎国際湘南の左腕石橋が散発4安打、11奪三振1四球で完封。切れ味抜群のスライダーで息詰まる接戦を制した。打っては六回に暴投で先制し、八回1死一、三塁から松下の遊ゴロで追加点を挙げた。横浜商は七回1死二、三塁の好機で攻め切れなかった。

 「絶対最後まで投げる」。マウンドのサウスポーは首を横に振った。

 1-0の七回1死一、三塁。星槎国際湘南の土屋恵三郎監督(64)が100球に迫っていたエース石橋に視線を送り、交代のしぐさを見せた時だ。

 気合を込めて後続の打者を三振、一ゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けると「よっしゃー!」。何度も左拳を突き上げた。土屋監督は「不服そうだったから尊重したよ。今日が一つの山だった。成長したね」と誇らしげに目を細めた。

 直球にスライダー、チェンジアップを低めに投げ分け、強打のY校打線にわずか4安打。「ピンチでも落ち着いて投げられた」とY校の大応援をも力に変えた。

 昨夏の大会ナンバーワン右腕・本田(オリックス)の背番号1を受け継いだが、昨秋、今春と結果を残せず、ノーシードで迎えた夏だ。前日、本田から「頑張れ」とメッセージをもらい、ついに公式戦初完封をマーク。「本田超え」となる創部初の8強に導いた。

 次は春に惜敗した金沢だ。「また丁寧な投球を続けたい」。真価が問われる試合になる。

【星槎国際湘南-横浜商】完封勝利し、ガッツポーズで喜ぶ星槎国際湘南の石橋=サーティーフォー保土ケ谷球場

© 株式会社神奈川新聞社