新型コロナ感染の50代男性、JR相模原駅などで勤務

感染した男性は中央の事務室の奥で働いていたという=JR相模原駅

 相模原市は24日、新型コロナウイルスの感染が22日に確認された市内在住の50代男性はJR横浜線・相模原駅勤務の同社社員であると発表した。男性は接客業務はせず、駅内事務室で管理業務を行っていた。ただ、発症した16日は横浜線・相模線を使い原当麻駅(相模線)、上溝駅(同)に出向き、両駅事務室でも業務を行っていた。市は25日以降、濃厚接触した3駅の同社社員8人に対し、PCR検査を行う。

 市によると、男性は16日、バス、横浜線を使い通勤。乗客用車両に乗って原当麻、上溝両駅回りを行った後、夕方に症状が出た。帰宅径路は本人の記憶が定かでなく、市で確認を進めている。また、濃厚接触者以外の相模原駅勤務のJR社員ら20人についても、健康観察を行っている。

 JR東日本によると、濃厚接触者のうち1人は一時発熱し、現在は自宅待機中。ほかの7人は通常勤務を続けており、同社は「事務室の消毒のほか、相模原駅の社員は1日3回の検温で体調をチェックしている」と説明。駅の手すり、エスカレーターベルト、エレベーターボタンを消毒し「安全に利用して頂けるよう尽力している」としている。

 市によると、男性に直近の渡航歴はなく、患者の感染が確認されている相模原中央病院(同市中央区)への通院歴などはない。同様に陽性だった50代の妻と20代の娘2人は、発症時期などから男性から感染したものと考えられるという。市は「担当職員の増強も視野に入れて職員態勢を検討する。全庁を挙げての態勢で乗り切る」としている。

 相模原駅利用者からは驚きと不安の声が上がった。同市中央区の71歳の無職男性は「とても怖い。駅員さんたちは異常を感じたら、自分のためにも利用者のためにも少しでも早く検査を受けてほしい」と話した。また80歳の無職女性は「どこで感染するか分からず、私たちにはどうしようもない。出来るだけ外出しないで、過ぎ去るのを待つだけです」と話していた。

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