卒業生と保護者の参加に限り実施 川崎市立学校の卒業式 対策徹底で支障ないと判断

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、川崎市教育委員会は27日、市立学校の卒業式について、卒業生の保護者の出席を認める対応方針を示した。県立学校や横浜市立学校は保護者の参加自粛や取りやめを求める方針を既に示しており、判断が分かれる形となった。

 川崎市教委によると、卒業式への出席は原則児童・生徒とその保護者に限定する。来賓の参加は見合わせ、在校生も人数を制限するなどして体育館のスペ-スを確保し、会場のいすの間隔を1個分以上空けるよう求める。さらに、風邪のような症状のある人には参加しないよう徹底するなどの対策も施すとしている。

 文部科学省が25日に示した卒業式・入学式に関する考え方では、参加者間のスペース確保や式典の時間短縮を求めている。同日に福田紀彦市長が示した市主催行事の自粛方針でも、卒業式や卒園式は市の行政活動上、特に重要な催しとして、十分な予防対策を条件に実施するとしている。これらの方針を踏まえ、対策を徹底すれば保護者が出席しても支障がないと判断した。

 市教委の担当者は「会場となる体育館の広さはまちまちだが、保護者の参加も1人に絞るなど工夫すれば対応可能だと見込んでいる。来賓参加の見合わせ、在校生参加の制限で、式典の時間短縮も図ることができる」としている。

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