【新型コロナ】中等症患者治療、神奈川県が重点医療機関 県内3カ所設置へ

県立足柄上病院=松田町

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、県は1日、爆発的患者急増(オーバーシュート)に備え、酸素投与などが必要な中等症の患者を集中的に受け入れる県内の「重点医療機関」3病院を指定した。計100床程度を確保し、中等症患者が100人程度に達した段階「フェーズ1」を一つの目安に稼働させる。

 3病院は、▽県立足柄上病院(松田町=264床)▽県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区=外科病棟含む239床)▽国立相模原病院(相模原市南区=458床)。

 黒岩祐治知事は臨時会見で「スタートとして確保したが、患者が増えたら順次拡大する」と説明。感染拡大が深刻化した場合、各病院の重点指定病床数を上回る患者を受け入れる可能性に言及した。また緊急事態に備え、県内全ての医療機関に「急を要しない入院と手術をできる限り抑制・延期してもらい、医療スタッフと病床の確保をお願いしたい」と呼び掛けた。

 県が医療崩壊の未然防止に向けて構築を目指す新たな医療体制「神奈川モデル」は、中等症の患者を重点医療機関に集約して治療することが柱。県はさらに複数の病院と調整中で、重点医療機関全体で240~2500床の確保を目標にしている。

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