【新型コロナ】距離取り感染予防を ロゴ作成、マスク寄贈も B1川崎

川崎のクラブが作成したロゴマーク

 新型コロナウイルス感染拡大でバスケットボールのBリーグが中止になっても、ブレイブサンダースの地域貢献活動は終わらない。B1川崎はマスクを病院に寄贈したり、選手による手洗いの励行を呼び掛けるメッセージ動画を配信したりする取り組みを始めた。7日に緊急事態宣言が出され、社会全体が苦しい状況だからこそ、少しでも力になれる方法を模索している。

 川崎は世界保健機関(WHO)の進言に従って「ソーシャル・ディスタンス」(他者との距離)を保つ意味のクラブロゴを急きょ作成。通常は中央に配置されている稲妻のマークを左側にずらし、一定の距離を空ける意味を持たせた。

 3月下旬から「みんなの未来のために、距離を取って生活しましょう」とツイッターで投稿。海外ではマクドナルドやドイツ自動車大手のアウディなどが同様の取り組みで社会に訴えており、川崎の担当者は「発信力があるスポーツクラブを通じて、少しでも自分事に感じてもらえたら」と願う。

 ホームゲーム開催時に使用予定だったマスク500枚も川崎市病院協会を通じて市内の医療機関に寄贈した。さらに日本代表の篠山、辻が感染予防の呼び掛けをする動画の配信をスタート。川崎市内の商業施設などのビジョンで放映されるほか、会員制交流サイト(SNS)でも展開する。

 4月中旬以降には、今シーズンに各選手が着用したユニホームの慈善オークションを始める。収益は、臨時休校中の子どもと家族を支援するための義援金として寄付する予定という。

 クラブ自体もレギュラーシーズンの中止やスクールの休校など、財政的な厳しさに直面している。キャプテンの篠山は「自分に何ができるかは分からないが、やれることには協力したい」と話していた。元沢伸夫社長も「周りを見た時、もっともっと大変な状況に置かれている方々がいる。スタッフ、選手が自分たちにできることで役に立ちたいという声があった」とコメント。合言葉は「離れていても一家団結」。緊急事態をみんなで乗り越えるつもりだ。

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