高齢者の移動、電動アシスト 茅ケ崎市、自転車貸し出しへ

電動アシスト付き自転車の貸し出しの募集チラシ

 神奈川県茅ケ崎市は今秋、高齢者の移動手段の確保と健康寿命延伸に向け電動アシスト付き自転車の貸し出し事業をスタートさせる。同市は県内で自転車利用割合が最も高く、「人・自転車を優先したまちづくり」の一環として取り組む。

 貸し出しの対象は、2020年度中に60歳以上になり、住居から1キロ以内に鉄道駅がない市民。2輪型の電動アシスト付き自転車35台、3輪型5台の計40台を10月上旬から来年3月下旬まで無料で貸し出す。

 自転車には衛星利用測位システム(GPS)を備え付け、高齢者の移動実態を調査し、電動アシスト付き自転車の利用拡大へ向けた課題を探る。GPSによるデータ収集への協力も応募条件となる。

 国のパーソントリップ調査によると、同市の自転車利用割合は23.0%と県平均の12.8%を大きく上回り県内トップ。同市によると、平坦な土地が多いといった地理的な条件などから、手軽に利用できる交通手段として自転車利用が多いという。

 市が18年度に実施したアンケートによると、電動アシスト付き自転車を利用している高齢者は低水準にとどまっており、担当者は「日常の買い物などで便利さを体感してもらうことで、車からの転換を図りたい。自転車をこぐことで足腰が鍛えられ、健康増進にもつながる」としている。

 応募は7月1日から開始。申請書は市の公式ホームページからダウンロード、または同市都市政策課窓口で配布する。

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