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 活発な梅雨前線の影響で、兵庫県内では避難勧告や避難指示が出ている。川があふれそうになったり、土砂崩れが発生しそうになったりと、危険が迫っている場合、市町村はさまざまな情報を出しているが、どう違うのだろう。

 -避難の呼び掛けにはどんな種類があるの?

 「どれほど危険が増しているかによって、いくつかの呼び掛けがある。まずは『避難準備・高齢者等避難開始』。高齢者や障害者、乳幼児といった避難に時間を要する人やその支援者が避難を始める。時間のかからない人にも避難の準備を進めてもらうんだ」

 「次に、人的被害が高まった場合に出る『避難勧告』は、対象地域の人は避難場所へ向かってもらう。より危険性が高く、災害が起こる前兆などがある場合は『避難指示(緊急)』が出される。まだ避難していない人は、急いで避難してという意味だ。ただ、既に家の周囲がひどく浸水している場合などは、家の中で高い場所に避難した方がいいこともある。注意が必要だ」

 -何を基準に避難を呼び掛けているの?

 「雨の量や川の水位がどのくらいまで上がっているかなどから判断する。川の水が増えていく時間を計算し、堤防からあふれ出すまでに住民が避難できるよう設定されたのが『氾濫危険水位』で、多くの市町が避難勧告の目安にしている。その前段階の『避難判断水位』は、避難準備・高齢者等避難開始の目安となる。ともに川のどの場所で決めるかによって水位は違ってくる。土砂災害なら、土の中の水分量を計算して出る『土砂災害警戒情報』が呼び掛けの目安になる」

 -「避難準備・高齢者等避難開始」は以前、「避難準備情報」という名前だったよね。

 「2016年に台風10号が襲った岩手県岩泉町で川があふれ、高齢者福祉施設に入所していた9人が犠牲になった。岩泉町は台風が上陸する9時間前に避難準備情報を出していたけど、施設側は、高齢者が避難を開始するという意味を理解していなかった。その後、平屋建ての施設の天井近くまで水が入ってきて、逃げきれなくなったんだ」

 -「特別警報」という言葉も聞くよ。

 「こちらは気象庁が出す情報の一つ。数十年に一度の大雨になりそうなときなどが対象になる。5千人以上の死者・行方不明を出した伊勢湾台風(1959年)や東日本大震災の津波などが該当する。危険性の高い方から特別警報、警報、注意報の順になる」

 -私たちにできることは?

 「近くの川の水位や気象情報をテレビのデータ放送やインターネットでチェックしておく。随時更新されているからよく確認し、早め早めの行動を。たとえ避難情報が出ていなくても、自分たちの判断で避難することが大切な場合もあるからね。近年、これまでになかったような大雨が頻発している。『前の大雨では避難しなくてもよかったから大丈夫』とは思わないほうがいい」

2018/7/6
 

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