Inc.:どんなに無知な人でも、テクノロジーが恐ろしい勢いで進歩していることは理解しているはずです。とはいえ、具体的にどのテクノロジーが世界を変えるほどのインパクトを与えるかを予測するのは簡単ではありません。誰よりも早くそうした情報を掴むことができたら、将来有望なキャリアを歩むこともできるし、最高にクールな(そして収益性も高い)ビジネスチャンスをいち早く手にすることもできるでしょう。


もちろん、誇大広告的に叫ばれる、並み居るハイテク技術の中から、本物の金塊を見つけ出すのは、最も困難な仕事の1つと言っていいでしょう。膨大な専門知識が必要なだけでなく、文化の風がどちらから吹いているのかを見極める感性も必要となります。


ありがたいことに、世界中の頭のいい人たちが、世界を変えそうなテクノロジーを定期的に公表してくれています。なかでもベストだと思われるのは、過去15年にわたり、次なるブレークスルー・テクノロジーを発表し続けている、MIT Technology Reviewです(過去のリストもこちらで閲覧できます。驚くほど的確なのがわかると思います)。2017年は次のテクノロジーがピックアップされていました。


1. 麻痺の回復。「脳インプラントの活用は目覚ましい進歩を遂げており、脊髄損傷により動かなくなった体を、自由に動かせるようになるだろう」

2. 自動運転トラック。「まもなく、あなたの近所の幹線道路にも、人間が運転しないトラックが溢れ出すことになる。1700万人のトラック運転手にとって、これは何を意味するのだろうか?」

3. 顔で決済。「中国では、決済や施設への入場許可、犯罪者の追跡に、顔検出システムが使われている。その他の国々もこれに続くだろうか?」

4. 実用的な量子コンピューティング。「GoogleやIntelなどの研究グループの成果を見ると、コンピューターに、かつては想像すらできなかったパワーが宿ることになるのは、もう間もなくであろう」

5. 360度自撮り。「全天球画像を撮影できる安価なカメラの登場で、写真撮影に新時代が訪れるとともに、人びとがストーリーを共有する方法も変わるだろう」

6. 熱太陽電池。「熱を光の集束ビームに変換する新しい太陽光発電装置により、より安価で安定的な発電が可能となる」

7. 遺伝子療法2.0。「科学者たちは、希少遺伝性疾患の治療を妨げてきた根本的な問題を解決しつつある。今後は、同様の手法が、がんや心臓病など、そのほかの病気に適用されることになるだろう。」

8. 細胞の機能マップ作成。生物学の次なる巨大プロジェクトは、人間の体はどんな細胞でできているのかを明らかにすることだ」

9. モノのボットネット。「家庭用ガジェットにネット接続機能が次々と追加されていくと、かつてないほどの脅威が作り出される可能性がある」

10. 強化学習。「プログラマが教えなくても、コンピューター自身が試行錯誤することで、うまくいくやり方を自ら学習し、獲得するようになる」


10 Breakthrough Technologies That Are About to Change the World|Inc.


Jessica Stillman(訳:伊藤貴之)

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