Inc.:世の中にはフレックス制や週休3日などの制度がありますが、アメリカには、「Summer Firday」という制度があります。Summer Fridayとは、月曜日から木曜日まで少し長く働くことで、金曜日の退社時間を早めることができる制度のことです。この制度が提供するものが、まさに柔軟性。従業員はこの柔軟性が大好きです。

リサーチ会社のCEBによる1,000社規模のアンケートによると、Summer Fridayを提供している企業は、2015年の21%から42%にまで増えているということです。もっとも、この制度は会社の規模に関わらず、従業員のニーズに合わせて導入できます。

以下で、この制度をうまく機能させるためのヒントをご紹介していきたいと思います。

柔軟性を持つ

私はかつて、夏になると金曜日を半日勤務にする企業で9年間働いていました。月曜日から木曜日まで9時間働き、かわりに金曜日に4時間早く帰れるという仕組みです。

働き始めて最初の4年間は、私もこの制度を活用していました。しかし、子どもが生まれ、託児所を利用するようになると、あまり制度を使わなくなりました。それでどうなったか? 誰も気にする人などいませんでした。また、正直な話、金曜日の午後にオフィスで1人っきりになった時、こんなにも生産的になれるかと驚くほどでした。

ですので、この夏の特別勤務制度が自分には合わないという人に、それを強制してはいけません。柔軟性こそが、従業員を満足させる鍵だということです。

全員のことを考える

毎週、金曜日の午後に職場を放棄するわけにはいかない職務もあれば、もっと柔軟な勤務体制でも問題のない職務もあります。たとえば金曜日の午後4時間、販売店を閉店すれば売上は減ってしまいます。一方、本社オフィスを閉めても問題はないでしょう。しかし、そんなことをすれば、現場の最前線で働く従業員たちは、会社は自分たちのことを考えてくれていないと感じるはずです。それは望ましくありません。

ですので、もしあなたの会社が、金曜の午後に従業員全員を帰宅させることができないのであれば、金曜日の午後に仕事をしている従業員のために何ができるかを考えてみてください。

たとえば、すべての従業員が金曜日に早く帰宅できるようにするかわりに、金曜日の午後から半日休暇を取る人と、月曜の朝から半日休暇を取る人に分け、そのスケジュールを交代制にしてもかまいません。どちらのシフトを選んでも、長い週末を過ごせることには変わりありませんからね。

この制度は会社にとって損ではない

どんなことにもコストがかかるものです。しかしこの場合、従業員たちは金曜の午後を休みにするために、月曜から木曜日まで1時間余分に働くことになります。つまり、普段と同じ生産性が期待できるわけです。それでも、従業員に毎週長い週末を過ごしたように感じてもらえるわけで、かなりお得なことなのです。私がかつて働いていた会社の同僚たちも、この夏の勤務制度を楽しみにしていました。私のように、この制度を利用しないとしても、金曜の午後の静けさを楽しむことができるのです。

可能性は無限

上記で挙げた案の他にも、月曜日から金曜日までの勤務時間を15分間延長し、かわりに金曜日を1時間早く帰宅できるようにしても、従業員をハッピーにすることができるでしょう。あるいは、月曜から木曜まで30分多く働いてもらい、隔週金曜日の午後をオフにすることだってできます。どんな形であれ、夏を楽しむために週末を長くしてあげることができたら、みんなにとってうれしい制度となります。


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Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com

Source: CEB