2017年10月31日の記事を再掲載しています。

何となくダークチョコレートは体に良いというイメージがありませんか。キャンディーはヘルシーな食べ物でないとわかっているのに、チョコレートに関しては常にこんな見出しを目にするような気がします。

ニュース解説サイトVoxの報告書が、チョコレートが体に良いと言うイメージは、米食品大手会社のMarsが何十年にもわたり資金提供してきた研究によるものだと説明しています。Nestlé(ネスレ)とアメリカチョコレート製造協会もこのイメージに一役買ってきました。

科学的にはまったく健全であっても、研究資金が提供されるパターンが原因で、私たちの誤解を生んでいる可能性があります。いくつかその具体例を見てみましょう。

  • チョコレートに関する研究が、それ以外の分野の研究より研究費が潤沢なら、チョコレートの研究をする科学者が増えます。
  • チョコレート会社は、研究結果を改ざんしないにしても、チョコレートの印象を良くするような研究を発表した科学者を選んで研究費を提供することができます。
  • チョコレート会社は、期待する答えにつながる研究課題に対して研究費を提供できます。たとえば、チョコレートの利点を研究するところに研究費を提供して、チョコレートの害を研究するところにはほとんど研究費を出さないようにします。
  • 企業や組織は、研究費を提供した研究が発表されると必ずプレスリリースを出します

これは必ずしもチョコレートに限った問題ではありません。たとえば、クランベリーが健康に及ぼす利点を喧伝する研究は、必ずクランベリー製品で有名なOcean Spray社から研究費が出ています。卵の場合は、恐らくアメリカ鶏卵協会でしょう。これで大体の感じがおわかりでしょうか。

一方で、たったひとつの食品に的を絞った研究が、栄養に関する世の中の理解をゆがめるという研究に資金提供している組織はあるでしょうか。まずないと言えます。

ほとんどの研究は、画期的でないばかりか、実用的でさえありません。「チョコレートの研究」は、一般にネズミや人間にカカオ豆から作ったサプリメントを食べさせる方法で行なっており、これでは楽しんで食べるには程遠くなります

Voxの報告書は「心臓の健康」に効果が出るだけのフラボノールを摂取するとなると、ミルクチョコレートなら2.5ポンド(1.13kg)も食べる必要があると指摘しています。ダークチョコレートだと、もう少しフラボノールの濃度は高いものの、それでも一度に750キロカロリー分も食べなければなりません。これでは、毎日のヘルシーな食生活に取り入れることは不可能でしょう。


Image: Avdeyukphoto/Shutterstock

Source: Vox

Beth Skwarecki - Lifehacker Vitals[原文