熱射病(熱中症)は、発作や臓器不全など、さまざまな症状を引き起こしかねない重篤な疾患です。そして熱射病になる前に、熱疲労と呼ばれる症状の少し軽い状態があります。
この両者の兆候を知っておけば、あなた自身と友人の健康を守るのに役立つでしょう。
熱射病を発症しやすい人
健康な人が熱射病になるのは、多くの場合、運動中です。体を動かすと深部体温が上昇するからです。特に、体調があまりよくない人や、涼しい環境で運動するのに慣れている人は、熱射病になりやすいと言えます。
熱疲労や熱射病のリスクを高める条件を挙げてみましょう。
- 高温多湿環境での運動
- 体調不良
- 体が大きい(肥満体か筋肉質かは問いません)
- 脱水症状
- アメリカンフットボールのプロテクターや、ハイキング用リュックサックなどの装備を身につけていたり、運んでいたりする場合
- 飲酒
- ベータブロッカー(交感神経β受容体遮断薬)や利尿剤など、特定の薬やサプリメントを使っている場合
- 暑さから逃れたり、自分の体を冷やしたりするのを難しくする障害や病気
熱疲労の兆候と症状
熱疲労は、体の深部体温が上昇しているが、脳には影響が及んでいない時におこります。自分自身や熱中症にかかった友人が、たとえば、意識混濁などの兆候を示していたら、熱射病と判断して、すぐに医療機関で治療を受けましょう。
米国疾病予防管理センター(CDC)による熱疲労の兆候と症状を挙げると:
- めまい
- 吐き気と嘔吐
- 頭痛
- 強い疲労感または脱力感
- 大量の発汗
- 寒気、顔面蒼白、冷たくて湿っぽい皮膚
- 速くて弱い脈拍
このような兆候を感じはじめたら、すぐに体を冷やしはじめましょう。
日陰やエアコンの効いた場所へ移動し、着衣をゆるめ冷たい物を飲みましょう。
気分が悪いとか、体調が回復しないなどの兆候に気をつけてください。1時間以内に回復しない場合は、医療機関で診察してもらいましょう。
熱射病の兆候と症状
熱射病は、体温がきわめて高くなり(直腸温で摂氏40度以上)、体だけでなく脳にも影響が及ぶ場合に発症します。
熱射病は重篤な状態なので、熱射病の疑いがある時は、すぐに医療機関で受診しましょう。医療スタッフが同行しているイベントに参加中なら、医療スタッフに知らせましょう。それ以外は、救急車を呼びましょう。熱射病の兆候には、頭痛やめまい、吐き気など、上に挙げた熱疲労の兆候も含まれますが、それに加えて:
- 意識混濁、興奮、幻覚
- 意識喪失、卒倒
- 歩行困難
- 発作
- 皮膚の赤み。汗は、かく場合もかかない場合もあります
助けを待っている間に、熱射病にかかった人の体を冷やす手助けができます。
医療スタッフが、病院に運ぶ前に患者の体を冷やすのがいちばん良いと判断するかもしれませんが、それは、その患者が他の治療を必要としているかどうかで変わってきます。
熱射病にかかっている人の体を冷やすには、氷入りの冷たい水をはったバスタブに患者を入れて、水を絶えずかき回し続ける方法が理想的です。
それが不可能な場合は、冷たいシャワーを浴びさせるか、ホースで冷たい水をかけるのも効果があります。
冷たく冷やした濡れタオルを患者の体にあてて、3分ごとに、あるいはタオルがぬるくなったら取り替えるのもいいでしょう。
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Image: Lifehacker US
Source: CDC
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]