子どもの頃に「ネットワーク(人脈)」という言葉を聞いたことがあるか定かではありません。
結局、大学時代にその言葉を聞いて、ビジネスや経営を専攻している人たちだけが使う流行語のようなものに聞こえました。
ブリーフケースと回転式の卓上名刺入れを思わせ、自分にはまったく関係のないものだと思いました。
私は音楽を専攻していたので、成功するために自分に必要なスキルは、音楽を完璧に演奏することだけだと思っていました。
良い「ネットワーク」は必要不可欠である
それは間違いでした。思い返せば、そのせいで多くの仕事を逃してきました。
今は、職業に関係なくふさわしい人物を知っていることで、ライブの予約をしたり、正社員の仕事に就いたりするのに有利になることがよくある、というのがわかります。
当然ながら、ネットワークはただ人を知っているということだけではありません。
実際のその人とのつながりであり、信用のことです。
今回は、若者が信頼のおけるネットワークづくりができるように教えた方がいいことを、いくつか紹介しましょう。
1. 尊敬している人に見返りを求めずメールを送ること
これは、将来仕事を紹介してくれる人である必要はありません。少なくとも今のところは。
大事なのは、自分にいいい影響を与えてくれた人に、そのことを伝える習慣を身に着けさせることです。
感謝の気持ちを伝えることは本能ではなく、学習する行動です。
最初は気恥ずかしかったり、わざとらしく感じたりすることもありますが、子どもが一度誰かを喜ばせることの喜びを経験すれば、それは自分のやる気を上げるだけでなく、将来の仕事につながる可能性もあると学びます。
2. 自分のスキルをシェアする
この10年半、自営業として学んだことがあるとしたら、それは人は(惜しみなく)親切にしてもらったことを覚えているということです。
批評を書いて提供したり、Webサイトのプラグインを手伝ったりするような、誰かにした些細な親切が、お金になって返ってきました。
それでソーシャルメディアのマネージャーという仕事に就くことができ、この5年働いています。
あるフリーランス仲間が、ソーシャルメディアのアカウントを活性化させる方法に関するアドバイスをして欲しいと言ってきて、私に仕事をくれました。
同じように、子どもには自分のスキルを出し惜しみしないということを教えた方がいいでしょう。
ほとんどの人は、このような方法を教えると“競争になる”と本能的に思うので、逆のように思えるかもしれません。
しかし、実際には、情報を共有する人は専門家として注目され、他の人にそう覚えてもらえます。
3. 喧嘩や揉めごとで信用や評価がいかに変わるか教える
ネットワークというのは、人とつながることであり、同時に信用をなくさないことでもあります。
私は自分の子どもに、緊張状態の時に怒りをおさえ、何か言う前に考えることを学び、信用をなくさないようにして欲しいです。
このスキルはプライベートでも仕事でも応用できます。
子どもが同年代の友だちと喧嘩したり、揉めたりした時は、それを解決した時のことを思い返してみましょう。
「どんな行動が解決につながった?」
「どんな行動は解決につながらなかった?」
「冷静かつ公平になることを思い出させてくれたのは誰だった?」
「これからは用心しなければならないと感じさせてくれたのは誰だった?」など
子どもに聞いてみましょう。
ここでは、子どもが恨みを持つようにさせるのではなく、人の行動が相手の気持ちをどれほど頑なにするのか、その後のやり取りにどれほど影響を与えるのかを覚えてもらいましょう。
4. 子どものSNSアカウントをプライベート設定にさせる
もしくは、少なくとも将来の上司が見ても気にならないものだけを公表するようにさせます。
私たちは、雇用者は採用する前にその人のSNSのアカウントをチェックすると知っていますが、ネットワークのために、SNSでは清廉潔白な画像だけを投稿するのもいいことです。
友だちの友だちの会社で、新しく空いたポジションに推薦してもらいたくても、問題のあるSNSアカウントだとすぐに落とされる可能性があります(求人が出る前の投稿でも)。
結論としては、子どももネットワークをつくる方法を学ぶ必要があるということ。
ただし、ネットワークというのは、ただ人を知るということではないことも知る必要があります。
仕事熱心で、頼りになる、親切な人間として、自分の信用を育むこと。
仕事に就くには、自分が選んだ仕事に関するスキルを身に着けることも重要。
それと同じくらい、自分が誰を知っているか、誰が自分のことを知っているか、その人たちが自分のことをどう思っているかも重要なのです。
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Image: Getty Images
Kristen Mae - Lifehacker US[原文:Teach Your Teen That Networking Is Actually Important]