今日は、豆腐に関してありがちな誤解を解いて、豆腐の良さをお伝えしたいと思います。

Beyond MeatやImpossible Burgerに代表される植物由来の人工肉の愛用者が世界を席巻しています。

しかし、動物性の食品への依存度を低くすることに真剣に取り組んでいるなら、豆腐には食生活のみならず生活も改善する力があるかもしれません。

肉好きなアメリカ人をはじめとする多くの人々が、豆腐というコンセプト自体に抵抗感を持つ理由が、私にはある程度わかります。

私たちが知る限り、西洋の文化は大豆タンパク質を容赦なく(人種差別的な偏見もあって)中傷してきました。そのため、西洋人の多くは、生まれたときから「豆腐なんかゴミじゃないか」と考えるように刷り込まれていました。

でも、その考えは是非改めて欲しいと思います。豆腐は適切に調理されると、繊細なカスタードみたいになったり油で揚げてカリカリになったりと幅広い食感を楽しめます。

味の吸収力が他のどんな食材より強いので、カメレオンのように味を変えられるため、どんな好みにも応じられます。

私は肉を食べますが、豆腐も大好きなので、豆腐を食べることに抵抗がある人の意識を変えたいと思っています。

今日は、西洋人の私が徹底的に豆腐について語りたいと思います。

豆腐のことを誤解していませんか?

豆腐に関する最大にして最悪の誤解は、肉の代用品でしかないという思い込みです。

確かに、豆腐は必要なら肉の代用品にもなれますが、実は、豆腐に最も近い動物性タンパク質の類似体は卵です。

卵はそれ自体にほとんど味がなく、形も食感も驚くほど変化自在なので特別な存在になっています。端がカリカリのレースみたいな目玉焼き、バターをたっぷり使った柔らかいスクランブルエッグ、ふっくら柔らかなフリッタータ(イタリアのオムレツ)、どの卵料理が好きかは人によりますが、味よりも食感で好みが決まると思います。

豆腐にも同じことが言えるので、私は豆腐の味が嫌いだという主張には懐疑的です。柔らかくて絹のような豆腐は、むしろ豆乳っぽい感じがしますが、料理の味に全く影響を与えません。

豆腐の味は料理のソースと同じ味であり、食感にこそ豆腐らしさがあります。

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驚くほど簡単なひと手間で豆腐はおいしくなる

大方の予想に反して、美味しい豆腐はほとんど何も手を加える必要がありません。 そもそも、世間で紹介されている豆腐料理のコツはどれも頂けません。

豆腐に圧をかけて水分を出すには長時間かかります(豆腐を冷凍するにはそれ以上の時間がかかります)。マリネにすると実におもしろ味のない仕上がりになります。

コーンスターチをまぶすとすぐボサボサになります。どれも柔らかめの豆腐には向かない調理法ですし、マリネ以外は、豆腐に何の味もつきません。

豆腐に関して知っていて損は無い知識は、塩水の効果だけです。豆腐を料理するとき熱い塩水を使うと、次の3つの効果があります。

  1. 硬めの豆腐からあっという間に水分を抜く。
  2. 柔らかくてもろい豆腐の型崩れを防ぐ。
  3. 塩水を通すと何でも味付けできる。

手間は、パスタを塩水でゆでるのと同じ程度です。

具体的なテクニックは後述しますが、私の場合、塩水を使うテクニックのおかげで、豆腐は「たまに買うもの」から「必ず常備しておきたいもの」に昇格しました。

ここまで言ってもまだ心に響かない人のために、私が好きなさまざまな豆腐とそれを使った料理を集めてみました。

まずは、豆腐が苦手な人にも受け入れやすいものからご紹介したいと思います。

ただし、レシピより豆腐を料理するときのテクニックを紹介することが主旨です (場合によっては、読者の皆さんがすぐに実践できるように、私が使ったレシピに紐づけて、どのように豆腐料理に応用したかも説明します)。

豆腐が苦手な人にも好まれる豆腐の厚揚げ

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Photo: A.A. Newton

豆腐の厚揚げは、

  • 安い
  • 美味しい
  • ふわふわした揚げ物っぽい風味
  • そのままでも食べられる

といった誰にでも好まれる要素が揃っています。

カレーやシチューにそのまま入れて、食感を楽しむこともできますが、半分に切って使うことをお勧めします。たった30秒の手間です。半分に切ることでふわふわのハニカムみたいな内側が露出してソースをしっかり吸収しますが、外側のパリパリした食感はそのままです。

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Photo: A.A. Newton

それを実証するために、私の好きなマンチ(Maangchi)という韓国料理のYouTubeで紹介しているレシピを作ってみました。「チーズブルダック(チーズ入り激辛チキン)」です。

鶏の胸肉の代わりに豆腐の厚揚げを半分に切って使いました。

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Photo: A.A. Newton
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Photo: A.A. Newton

鶏の胸肉と豆腐の厚揚げは一見全く似ていませんがが、激辛ソースのおかげで鶏肉の代わりに厚揚げを使ってもうまく行きます。

見た目はスパイスで真っ赤ですが、意外に甘味もあり、たっぷり入れた新鮮な生姜とニンニクで元気が出るので、鶏の胸肉や味付していない豆腐のような味が曖昧なものにぴったりの料理です。

私は、この料理を何十回も鶏肉で作りましたが、厚揚げで作ったほうが好きです。

ソースにどっぷり浸っていても、厚揚げの軽くてふわふわの食感はそのままなので、薄切りの餅やとろけたモッツァレラの歯ごたえのある食感とは全く対照的です。

押し豆腐はそのまま食べられるところが魅力

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Photo: A.A. Newton

その名の通り、押し豆腐は豆腐に圧をかけて水分をほとんど排出しているので、入れると舌ざわりの良さを楽しめます。

醤油と五香粉(5つ以上の香辛料からなる中国の混合香辛料)で予め味付けされたものも買えますが、私はプレーンを買って自分の好みで味付けする方が好きです。

ここでは、スパムの代わりに押し豆腐を使ったチャーハンを作ってみました。

  1. 醤油と砂糖をそれぞれ約大さじ2杯、小さじ1杯のニンニクパウダー、スモーキー・ホットソース(El Yucateco Black Label Reserveが断然おすすめです)少々でマリネ液を作ります。
  2. さいころ状に刻んだ押し豆腐をマリネ液に入れます。
  3. 10分たったら裏返して、あと10分間放置します。

マリネ液はそれほど多く作る必要はなく、押し豆腐がひたひたに浸かる程度で十分です。

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Photo: A.A. Newton

4.生姜、ニンニク、にんじん、冷凍エンドウ豆を入れた最も基本的なチャーハンに上記の豆腐を入れてカサを増やします。

縁に焦げ目がついてサクサクのさいころ型の豆腐は、炭水化物たっぷりのチャーハンに入れるにはぴったりでした。

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Photo: A.A. Newton

味付けしていない押し豆腐はビーガン向けの「パニール(沸騰した牛乳にクエン酸を加え、水分を取り除いて作るインドのチーズ)」を作るのに最適です。

さいころ状に刻んで、塩を2、3つまみ入れたレモン汁に30分間漬けます(時間があれば、もっと長く漬けましょう)。

あとは普通のパニールと同じように、フライパンで炒めるか、そのまま使うかです。どちらにしても、豆腐のマリネが本物のパニールの食感と風味をどれほど忠実に再現するかわかってびっくりします。

木綿豆腐には下ごしらえの手間が少し必要

木綿豆腐は、豆腐として世間から最も認識さていますが、魅力が伝わりにくいのは確かです。それは、この画像を見ればわかりますよね。

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うーん、これ、食欲を刺激しますか?
Photo: A.A. Newton

私の経験から言うと、固さが普通から超固めの豆腐は、硬さの違いをあまり気にせず使っても問題ありません。

調理前は、「ゴムみたい」という表現がぴったりの食感で、何の味もしません。熱いフライパンでカリカリに焼いて風味の強いソースをかけるのが、一番よくある食べ方です。

塩水とこげつかないフライパンがあれば、せいぜい20-30分でフライパンで炒めて豆腐のそぼろを作れます。私が1ポンド(約453g)の標準的な豆腐で豆腐のそぼろを作るときのプロセスは次の通りです。

  1. ソースパンに水2〜3カップと食塩小さじ2杯を入れて強火にかけます。
  2. 火を止めて、さいころ型に刻むか砕いた豆腐を入れ、残りの材料を準備する間そのまま放置します。
  3. 15〜20分後、塩水を捨て、豆腐を清潔なタオルの上に並べて軽くたたいて水気を切るか、必要になるまでザルに入れておきます。
  4. 大きな鋳鉄製フライパンに中性油を薄く塗りつけ、中火から強火で加熱します。豆腐の表面をカリカリにするには、豆腐を入れる前にフライパンを熱しておきましょう。
  5. 熱くなったフライパンに準備しておいた豆腐を入れて均一に広げ、最低5分間そのままにしておきます。
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Photo: A.A. Newton

6.が茶色になり始めたら、裏返して反対側も同じように焼きます。

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さあ、豆腐を裏返す頃合いです。
Photo: A.A. Newton
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Photo: A.A. Newton

ジャーン!完成です。ご覧の通り、ここでは(私の好みで)豆腐を潰して使用しましたが、豆腐はさいころ型、薄切り、三角形などどんな形にしても大丈夫です。

豆腐を砕いてそぼろを作る方法

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Photo: A.A. Newton

冒頭で豆腐は肉の代用品ではないと言いましたが、砕いた豆腐をカリカリに炒めると肉とそっくりになることは否めません。

多くの場合、私は肉の方が好きですが、それは、長時間煮込んでも形が残っていて、歯ごたえもしっかりあるからです。

確かに豆腐は豚ひき肉や牛ひき肉が持つ独特のコクはありませんが、適切なレシピを選べば、その点もちゃんと補えます。

適切なレシピと言えば、Bon AppétitのTest Kitchenのディレクターを務めるChris Moroccoさんのスパイシーで甘いサンバル・ポークヌードルは完璧ですが、料理の名前に「ポーク」が入っているにも関わらず、私はこの料理を肉を使って作ったことはありません。

初めて作ったときも豆腐を使って、すごく美味しいことがわかったので、豚肉で作ったらどんな味がするかわからなくても気になりません。

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Photo: A.A. Newton

私の場合は、豚肉を使わなかった点以外はレシピに書いてある通りに作りました。

豚肉の代わりに入れた豆腐は、ソースを煮立てている間に、塩水に浸してから砕いてフライパンで炒めておき、麺がゆであがったら一気にすべてを合わせます。

こうすると、豚肉の風味以外は何ら妥協することなく、調理時間も30分間短縮できます。

そぼろ豆腐は、牛ひき肉の代わりとしても使えます。

私はたいてい、豆腐が適度にホロホロになったら、みじん切りにした玉ねぎとニンニクを入れ、トマトペースト、タコス用調味料で煮詰めます。安いビールがあれば、それも入れます。

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Photo: A.A. Newton

牛肉と全く同じとはいきませんが、これはこれで信じられないほど美味しいですし、ビーガン向けのラップサンドイッチの具になります。

豆腐をオーブンでローストする方法

ガスコンロを炒め物の油で汚したくないなら、豆腐をオーブンでローストすることもできますよ。出来栄えは、フライパンで炒めた場合に勝るとも劣りませんが、少し時間がかかります。

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Photo: A.A. Newton
  1. 塩水に浸してから水気を切った豆腐を切ります。裏返し安いので三角形か薄い四角に切りましょう。
  2. オーブンを450ºF(約232℃)に予熱している間に、切った豆腐を清潔なタオルの上に並べて水気を取ります。
  3. 好みの野菜を豆腐と同じぐらいの大きさに切り、大さじ1、2杯の中性油をつけて豆腐と一緒にローストしましょう。私は、ここではかぼちゃを使っています。
  4. 天板をオーブンの一番下の段に入れ、3分ぐらい経ったら、大さじ2,3杯の中性油を塗り、またオーブンに戻して、さらに1〜2分加熱します。
  5. 天板に豆腐と野菜を注意深く並べたら、天板をオーブンの下段に戻し、最低20分間ローストします。
  6. 裏返して、豆腐の両面がカリカリになり、野菜に焦げ目がついて柔らかくなるまで、さらに15〜20分間ローストしたらできあがりです。
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Photo: A.A. Newton

天板から直接豆腐や野菜を食べてもいいですし(スパイシーなピーナッツソースやチリオイルを垂らすと美味しいです)、私の場合は、マエスリ・パナン・カレーペースト、パームシュガー、ココナッツミルクで簡単に作ったカレーを足しました。

マエスリは、エビのペーストやフィッシュソースを使用しない唯一のブランドです。普通のカレーペーストを避けているアレルギーやビーガンの人は、お試しください。

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Photo: A.A. Newton

正直言うと、カボチャを使ったのは失敗でした。実が乾燥しすぎて皮も硬くなりすぎました。でも、ローストしてカリカリになった豆腐は成功です。実験的なことを試みると、うまく行くところとそうでないところがあっても当然ですね。

慣れてきたら、いよいよ絹ごし豆腐の出番

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Photo: A.A. Newton

次は、最も物議を醸し、誤解されている豆腐、つまり絹ごし豆腐の話に移ります。確かに味が無いと言えば無いので、味付けしていない凝固した豆乳だと思うと、うま味の点では特に魅力を感じないかもしれません。

でも、適切に調理されると、絹ごし豆腐は単に美味しいというより、卓抜した美味しさを味わえます。それを訴えるためなら、私は一日費やしてもいいぐらいです。その理由をご説明しましょう。.

絹ごし豆腐に関して私が目からうろこの体験をしたのは、ポートランドの「びわ」という居酒屋風のバーでした(今は閉店してしまいました)。

一見シンプルに見えるその一皿は、冷やした絹ごし豆腐に甘味のある醤油と斜め切りしたねぎと炒りゴマと紙のように薄く削ったかつお節がトッピングされていました。

その店に行くたびに私は毎回それを注文したので、友人たちは、「冷たい豆腐なんかなぜ注文するの?」と言っていました。でも、友人たちに一口でもその冷や奴をたべさせられたら、きっとわかってくれるはずです。塩気のあるパンナコッタを食べているような感じでした。

残念なことに、私を開眼させてくれた冷ややっこを食べに行くことはもうできません。

同じものを自分で再現しようとしましたが、あまりにも失敗したので、セカンドベストのもので妥協せざるを得ません。塩水に漬けた絹ごし豆腐を温かい米飯に乗せて、そこにチリオイル、醤油、黒酢をかけました。

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Photo: A.A. Newton

これでも申し分ありません。ここでも塩水が成功の鍵です。

冷たくてつるつるした豆腐の塊が、熱々の美味しいカスタードに変身して、調味料の完璧なキャンバスになります。

確かに、食感が単調と言えば単調ですが、豆腐の柔らかさが心地いいので、歯ごたえのあるものが混じるとせっかくの豆腐の食感が損なわれると思います。

米を炊いている間に作れる美味しくてバランスのとれた栄養価の高い一皿です。

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集大成は麻婆豆腐

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Photo: A.A. Newton

豆腐に関する記事で麻婆豆腐を取り上げないのは、ジャーナリズムとして失格です。

四川料理のアイコンとも言えるこの豆腐料理は、コク、肉の味わい、スパイシー、ファンキー、酸味、辛味のすべてが一度に味わえて、口当たりの良い花椒オイルで滑らかな仕上がりになっています。

私が好きな料理トップ3に入り、料理サイトOmnivore's CookbookのMaggie Zhuのレシピでしょっちゅう作っています。

私は大の野菜好きなので、試しに、伝統的なレシピで使うひき肉の代わりに、ナス、キノコ、ニンジンをみじん切りにして入れてみたこともあります。

しかし、今回は豆腐の紹介なので、「お!豆腐尽くしだ」という感じにしてみました。サンバル・ヌードルのときと同じように、豚ひき肉の代わりにそぼろ豆腐を使い、ソースを煮立てている間に、さいころ型に切った絹ごし豆腐を塩水に浸しました。

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Photo: A.A. Newton

結果的に、私が今まで作った中で最もおいしい料理の1つになりました。

絹ごし豆腐が文字通り口の中でとろけるような柔らかく、そぼろ豆腐がスパイシーで塩気のある濃厚なソースを吸収したため、すっかりひき肉みたいになりました。

おかげで、この記事で披露した豆腐に関する(正しい)意見にますます確信を持てるようになりました。読者の皆さんもここでご紹介したことを信じて試してみてください。

きっと豆腐に関する考えが変わると思います。

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Image: Lifehacker US

Source: Amazon(1, 2), Omnivorescookbook

A.A. Newton – Lifehacker US[原文