晴れたから洗濯日和、ではないんです。

お風呂の残り湯を使う、洗濯後にいい匂いがすればきれいに洗えている……あなたが常識だと思っている洗濯の知識は、実は間違っているかもしれませんよ。

洗ったのに臭いが残る、衣類がすぐに傷んでしまうなどのトラブルは、正しく洗濯できていないことが原因なのだそう。

そこで、正しい洗濯の仕方を学ぶ機会がなかった私たちに正解を教えてくれるのは、クリーニングのプロである洗濯ブラザーズの3人。

劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど、国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行なっていることで知られています。

彼らの著書『日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術』(アスコム)には、きれいに洗えると同時に服を傷めず長持ちさせられるコツが満載。さて、あなたは何問正解できますか?

Q1. シャツの襟の黄ばみは、漂白剤で落とすといい?

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漂白剤は刺激が強く、生地にダメージを与えるので日常づかいでは使用せず、どうしても落ちない汚れを落とすときの「奥の手」として使うのが賢明なのだそう。

では、黄ばみを落としたいときはどうしたらいいのかというと、“プレウォッシュ”がおすすめ

洗濯機に入れる前の前処理を指し、「キレイに洗えるかどうかは、9割がた、このプレウォッシュで決まります」と洗濯ブラザーズは言います。

プレウォッシュ液の作り方は、スプレー容器に洗剤、水の順に同じ割合で入れ、軽く振って混ぜるだけ。これを全体的にまんべんなく1回、汚れの気になる部分に3回スプレーし、15分おいてから洗濯機で洗います。

このひと手間で汚れが落ちやすくなり、黄ばみのない仕上がりになるのだそう。

ふだん洗いやデリケート素材でも、ぜひやってほしいと思います。

汚れが目に見えなくても、汗をかきやすいところには、皮脂や汗汚れがべったり付着しています。

トップスやアウターなら、「襟ぐり」「袖口」「脇」の3カ所。ボトムスなら、「ウエスト」「股」「裾」など。

洗濯機の洗いだけでは、皮脂汚れや汗汚れは完全に落ちきらずに、だんだん蓄積されていきます。これが、時間が経つにつれて黄ばみや黒ずみに変化します。

そうなる前に、プレウォッシュの習慣をつけましょう。

『日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術』99ページより引用

答えは、✕。

洗濯は早めに

また、洗濯物を脱いで洗濯機に放り込んでおくのも、ついやりがちですが絶対NG

臭いの原因菌「モラクセラ菌」は水分をエサにしているため、洗濯機の中に洗濯物を入れておくと繁殖してしまうそう。通気性のいい洗濯カゴに入れておきましょう。

時間が経つほど菌は増えてしまうので、24時間以内に洗濯するのが理想。衣類を脱いだ瞬間から、正しい洗濯術は始まっているのですね。

Q2. 洗濯は洗濯機にまかせておけばいい?

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洗濯物を入れてスタートボタンを押すと、水が流れてきて洗剤と混ざり、洗濯が始まる。

全自動で当たり前にやっているこのプロセス、実はプロの目からみると正しくないのだそう。

それは、水そのものにかなり洗浄力があり、繊維に刺激を与えて縮みや傷みの原因になってしまうから。洗濯ブラザーズは「衣類を水から保護するために使うのは、洗剤です」と言います。

洗剤にはもちろん洗浄成分が入っているけれど、しっかり水に混ぜると、衣類を水の攻撃から守ってくれるのだとか。

タテ型の洗濯機なら、まず洗濯槽に水を張ります。その水に直接、洗剤を入れます。そして、しばらく洗濯機を回します。これで泡立つので、そこで初めて衣類を入れてください。

このひと手間で、洗剤がムラなく溶けて泡立ち、衣類を保護してくれます。

タオルをこのやり方で洗ってみると、いつまでも吸水性が落ちず、ふっくらした風合いが長持ちして、びっくりすると思います。

『日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術』115ページより引用

順番を変えるだけで衣類が傷みにくくなるなんて、驚きですね。

答えは、✕。

お風呂の残り湯は使わないで

ちなみに、お風呂の残り湯で洗うのは逆効果!

皮脂やタンパク質が流れ出たお湯を使うため、部屋干し臭や、服が湿ったときによみがえるイヤな臭いの原因になりかねません。

『間違いだらけの洗濯術』を読み進めていくと、こんなふうに今までの常識がどんどん覆されていきます。

Q3. 洗濯物は日光に当てて干すのが一番いい?

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朝起きて晴れていたら、溜まっている洗濯をしようという気持ちになるけれど、それも間違い。

晴れでも雨でも部屋干ししたほうが服が傷まないため、洗濯日和という概念はプロにはないと言います。

晴れた日に屋外で干すと、衣類は紫外線にガンガンさらされます。

直射日光が肌によくないのと同じで、服にとっても危険な行為なのです。とくに濃い色のものは紫外線にめっぽう弱く、これを続けていると色があせてしまいます。

部屋の中でも日当たりがいいところで干すなら、衣類は裏返しておいたほうがいいです。

『日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術』167ページより引用

部屋干しなら花粉やPM2.5などの有害物質から衣類を守ることができて、一石二鳥です。

答えは、✕。

部屋干しの臭いを避けるコツ

ただ、部屋干しというと臭いが気になる人も多いでしょうが、乾燥のメカニズムを知れば大丈夫。

生乾き臭のしない仕上がりには、「湿度」と「温度」、「風」の3要素が大切なのだそう。

まず干す場所として、広い部屋よりも、湿度を効率よく下げることができる狭い部屋を選びましょう。

除湿機を使って湿度を40%以内に抑え、エアコンで夏場は27度、冬なら20度くらいに温度を保ちます。そこに適度な風を送れば完璧!

エアコンの除湿機能だけでは無理があるそうなので、最近販売されているお手頃な価格の除湿機を、この機会に新調するのもおすすめです。

ほかにも、厚手の衣類を乾かすコツなど、今すぐ知りたい季節の洗濯技が満載です。

洗濯ブラザーズ式の洗濯術を使って、年末の片付けシーズンをスマートに乗り越えましょう。

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マイロハスより転載(2019.12.8)